治療のゴール

骨折の治療などでもそうだが、何処に治療のゴールを設定するかはすこし難しい。患者さんは、「100%の完治」を目指すし、我々は、「日常生活で辛く感じない」でいいと思っていて少しずれる。以前も、「残り5%の痛み」で書いたが、100辛いものを80取って、残り20%までが1番楽で、そこから15%、10%、5%と下がるにつれ、治療が大がかりになる。勉強していない生徒が少し勉強すれば80点は取れるが、そこから90点、95点取るのは大変である。かけっこの選手が100m走を13秒台走る場合、0.1秒縮めるのは楽だが、11秒台になったときに0.1秒縮めるのは至難の業である。時々、「先生あと3.8%痛みが残っています。」と言われるが、日常生活で気になるのか聞くと、「いえいえ、辛くはないのですが、100%治っていないという事です。」と言われてしまう。我々は朝起きて夜寝るまでの間に患部のことを思い出さなければそれが治療のゴールでいいと思っている。何時の時代でも100%を求める患者との間にずれはある。

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