やがてはおとぼけ爺さん

今はまだいいがやがてこちらが爺さんになったら、少し治療の中におとぼけを入れようと思っている。今日来た常連さんはもう40年近く診ている。いつもと違う左腰を訴えるので調べたら、原因は筋肉痛でそれもいつもより5割増しで使っている。何をやったかはわからないが、「いつもより5割増しで頑張って何かやったでしょう?」と聞いたら、「いつもは筋トレのレベルが4なのに、今回はレベルを6にした。確かに5割増し。少し気合いを入れてしまった。」と言う。仕事柄、身体にどんな変化が起こり、原因を探るのは得意だが、最近は少しこれは考えものだと思っている。以前も常連さんの左の背中を診て、「あなた、もらったメロンを沢山食べたでしょう。」と言ったら、患者さんは固まってしまい、そのあと気まずくなった。こちらにしたら、今までこんなに糖分を摂ったことがないのに、反応があるということはもらい物に違いない。もらうとすれば季節的にメロンだろうと予測をして、「あなたメロンを食べたでしょう。」と言っただけなのに、バカ正確に言えばいいというものではないと感じている。もう少ししたら髪の毛を全て白くして杖をつきながら久しぶりに来た患者に、「最近は常連さんもかなり亡くなって、患者も減ってしまった。昔は色々と患者の状況を当てたけど、最近は年を取ったせいで鈍くなってしまった。今日のあなたの左腰はいつもと違うけど治療すれば大丈夫だから通いなさい。原因はわからないが、人生色々あるからねぇ・・・。そんなに気にすることはない。」と言えば患者も絶句しなくて済む。

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