御身大切に

首でも膝でも長い期間痛みが続き、何かの治療が功を奏したときに試したい気持ちは分かるが、程々にしていただきたい。特に膝の場合、半月板を痛めると階段が降りられない。しかし楽になると何度も降りて確かめたくなる。結局それが原因で又痛みが出る。ゴルフで腰痛の方も痛くてクラブを振れなかったのに、少し楽になると何度も振る。楽になったからと言っても、今までマイナス30点がマイナス5点ぐらいになっただけで、身体に余力(貯金)などは全くない。少し貯金が出来れば、かなり無理をしても痛みは出ないか、出たとしてもすぐ治る。中々患者は待てない。胃炎などもそうで、今まで食べると出た痛みが治まっただけで、何を食べても大丈夫なわけではない。しかし患者はどれだけ楽になったか痛みが出るまで食べたがる。身体は何でも「癖」のもので、痛い状態を続けるとこのままでいいと思ってしまう。痛くない状態を続ければ少しの痛みで強く反応する。昔から、「御身大切に」はとても上手く言い表している。毎日患者を治療する度に思い出す言葉である。

image_print印刷する