身体は辛くないが、頭に鍼を打って欲しい

常連さんが最近少し仕事がきつく全身にこりがあったが、今日は全くない。「今日は筋肉の状態が実に良い。まるで仕事をしていない時みたい。」と言ったら、「少し加減している。そうですか。筋肉は硬くないですか。では頭に鍼を打ってください。」と言ったので少し驚いてしまった。この頭の鍼だが打つと、「オキシトシン」が出る事はわかっている。オキシトシンは「愛情ホルモン」と言われ、人や動物に対しての愛情が高まり、親密な関係を築きたいという気持ちが増す事がわかっている。身体が辛くて頭に鍼を打ち、抗ストレス作用ならわかるが、筋肉にこりがない時に頭を打つというのは、まるで瞑想して新境地を求めるようなものである。完全に心の貯金である。さすがうちの常連さん、身体が楽な時によくぞ頭に鍼と言ってくれた。治療が終わって感想を聞いたら、「今までとは何か違う。」というので、「殆どの方はマイナスの身体をゼロにしてくれと来るが、これは少しプラスにする治療で、もっと増やしてくれということです。治療の醍醐味は本当は心と身体の貯金です。」と言ったら、「わかる~」と言っていた。中々これを理解出来る方は少ないが、この貯金が幸福感であり、ゆとりであり、安心なのである。

image_print印刷する