1週間で改善した頭の働き

中学生時代から時々来ていた子が社会人になり、外資系の金融会社に就職した。しかし最近全く頭が働かなくなり、心療内科など何処で診てもらおうか悩んだ結果、母が通い慣れているところにまずは行ってみようということになり久しぶりに来た。昔から外交官になりたいという夢を持ち、抜群の記憶力で国立の有名大学を出ている。話を聞くと自分でも不思議なぐらい、頭が働かないという。話だけ聞いていると鬱病患者なので、頭の状態を調べてみた。胃腸が強く、鬱病ではなかったが、アセチルコリンという頭の神経伝達物質の量は老人並み、ドーパミンというやる気物質は殆どないし、幸福物質のセロトニンも低い。「この数字は日向ぼっこをしているお爺さんと同じです。マルチタスクは出来ないし、記憶力も働かない。金融の仕事は全く出来ません。」と言ったら、「そうなのです。かつてこんなに頭が働かない経験は1度もなかったので悩んでいます。」と言う。こういう場合の治し方はある程度定番なので、「マウスピースとBスポット療法へ行きなさい。」と指導をした。「マウスピースは予約ですぐにできないとは思うけど、Bスポット療法は次回来るまでに数回はやりなさい。鼻炎があると辛いけど、耐えなさい。」と指導をした。今日、1週間ぶりに診たら頭の神経伝達物質が全て正常になっている。1週間で治癒である。普通はこんな事は起こらない。しかし良くなったのは今日で、昨日までダメだったという。以前から、「治療効果は階段的変化」と言っているので、良くなる時は何かスイッチが入ったように突然変わるものですと説明をした。「Bスポット療法は何回行ったの?」と聞いたら、「4回です」と言う。本人は治りたい一心で通ったのであろう。ではどうして記憶がだめになって、いとも簡単に治ったのであろうか。起こった理由の一つは、当然社会人になったことも影響しているが成長期を過ぎた事が大きい。一般的に成長期は18才、ギリギリで20才までである。その間は病気は発症しにくい。成長ホルモンなどの働きで、変化が早すぎて病気になっている間がない。しかし大学を出て成長期が終われば、自分の本来持っている持病が出る。この子は昔から鼻炎があったという。たまたま成長期に出なかっただけで、20才を超えれば誰でも持病は出る。本来持っているものが出ただけである。そう思って中学生時代のカルテをみると「だるさ、頭痛」と書いてある。おそらくこの頃から鼻炎はあったのであろうと予想がつく。こうなると母親や家族も鼻炎持ちではないかと言いたくなってしまう。そして良くなった理由は完全に、「Bスポット療法」である。慢性上咽頭炎を持っていて、今まで全く手をつけていなかったところにメスが入った形になったので、劇的に効いたのである。それを運良くBi-Digital O-Ring Testで測り、これは鼻をいじるしかないと考えた。私も長年、鬱病の方は診ているが、こんなに突然発症して、真面目にBスポット療法を受け、劇的に治った方は少ない。色々と偶然が重なったわけだが、この話を書きながら、「私、仕事を始めて突然頭が働かなくなって、昔から行っているところで指を引っ張ってもらって頭を調べ、鼻を擦ったら1週間で治った。」と言って一体誰が信じるであろうか?事実は事実として書いているのだが、普通は心療内科に行って、薬を飲み数ヶ月様子を見ても会社に復帰できない方がどれだけいるかを考えると、この話は信じられないと言う方の方が普通だと思う。

image_print印刷する