慢性腰痛と鬱病

慢性腰痛で通っている人が突然股関節が痛くなったという。色々と関節を動かしてみたが全く痛がらず、関節の中というよりは周辺の筋肉が硬い。もちろんレントゲンやMRIで調べなければならないが、慢性腰痛をほったらかしにして、周辺の筋肉(お尻周辺)まで硬くなったことが原因のようにのように思えてきた。この方は以前から逆流性食道炎があり、ぎっくり腰の時は来るが辛くならなければ来ない。「胃をちゃんと治さなければ腰は完治しない」と何度も言って、本人はその知識は持っているが、辛くなければ来ない。さすがに普段辛くなったことがない股関節が痛くなったので、久しぶりに来た。この方には今後このままにしておくとどうなるかという話をした。「胃を治さないと腰が治らない話は知っていると思いますが、今回はそれが股関節周辺まで影響したことはほぼ間違いありません。当然腰が良くないということは身体の土台が狂うので、最終的には首のゆがみが起こります。首の付け根には目を動かす時に連動する筋肉や、頭に血を送る大事な血管があるのでそこが歪むと書類を見ることを嫌がり、集中力が低下します。それが続くと記憶力低下や鬱病まで行ってしまいます。今の段階で鬱病の火種があるとは思っていないと思いますが、我々からしたら、そんなに縁のない話ではありません。これはまるでドミノを倒すような話で、初めに逆流性食道炎→腹筋力低下→慢性腰痛→首のゆがみ→集中力低下・頭の血行不良→鬱病という流れです。おそらくこのままですと数年で起こっても何の不思議もありません。このドミノが倒れるのを何処かで止めなければなりません。逆流性食道炎の管理が難しければ腰を管理しないといけません。」と言ったら、「実はかなり思い当たることがある」と言う。この方は単に股関節が悪いという話ではない。背景にこれだけのものが隠れている。

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