脳梗塞と身体の器

常連さんが脳梗塞を起こした。殆ど後遺症もなく良かったのだが、少しだけ気になる事がある。それは倒れる前と同じ生活に戻そうとすることである。倒れる前は元気に人の2-3倍も仕事をしていた人の場合、脳に一部分とはいえ損傷が起こると一気に何かをやり遂げるという力が発揮出来なくなる。そして持続力がなくなる。それを患者は、「倒れてから根がなくなった。昔みたいにやろうとするとすぐにだるくなってやる気がなくなってしまう。」と言う。これは身体がそういうことをされては困るのでやめて欲しいからブレーキをかけているのである。そこを理解出来ずに、「早く元に戻そう」とする気持ちは分かるが、現実問題として出来ない。考え方としては倒れたあとは新生命を頂いたと思えば言い。そうなれば倒れてから3ヶ月ならまだ生後100日である。そんなに昔みたいに無理が出来るわけがない。何か集中してやるときは身体は全身の能力を使う。一部でも問題があれば集中力が持続出来ない。身体の器が変わったと認識して頂きたい。早く今まで通りの生活がしたいと思う気持ちは分かるが、がんでも何でもそうだが、病気で大きな転換期を迎えた場合、一度過去は捨て、今後どう生きるかを見極めることがとても大事である。 

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