カルテを見ただけでわかる病気の原因

今日紹介で来た方はカルテに、「首のこり、肩こり、腰痛、頭痛」と書いてあり、何時から症状があるのかの問いには、「長く」と書いてあった。これを見ただけで、「あなた、鼻炎があるでしょう。」と言ったら驚いて、「はい、あります。でもどうしてわかるのですか?」と聞かれたので、少し解説をした。まず長い間、首・肩・腰の関節が全てに痛みが続くのはおかしい。そして頭痛まで訴えているというのは、かなり体が反乱を起こしている証拠である。そして何も処置をしていないので、身体は頭痛まで出して、「何とかして」と言っている。本人は痛みを何とかしようと病院には行っただろうが、首・肩・腰痛は原因ではなく結果なので、辛い所だけをいじっても全く解決しない。だから長患いになってしまうのである。ではどうして「鼻炎」とわかったかだが、正確に言うと「粘膜の症状」なのである。だからこう言う方は、「腸の不具合」で便秘や下痢がある。その粘膜症状の続きで「慢性鼻炎」になってしまうのである。粘膜の症状があると、身体は交感神経優位になり、腕や足を硬くする。腕や足が硬くなれば首肩、腰痛は起こる。粘膜症状をそのままにして便秘になれば腰痛が益々治らない。自覚症状の出ない腕がそのままなら、首や肩はやられる。そんな時に噛み合わせがおかしければ益々首は硬くなる。こういう状態をほったらかしで首が硬くなれば、頭痛はすぐに起こる。占い師みたいな話を書いたが、全て理屈に合っている話である。当院はこういう患者がとても多い。我々の世界では「首や肩は腕から治す」「腰はお腹と足から治す」は当たり前だが、中々世間では知られていない。こういう症状で苦しんでいる方は本当に多い。そういう方には、「いくら首や肩腰を揉んでも楽にはなりません。原因は粘膜です。」と言いたい。

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