患者さんにも癖があり、「肩も肘も痛いけど今回は肩が良くなればいいや」と言って、肩の治療が終わると来なくなる方が結構いる。ご自分の中におそらく基準や考えがあって、それに基づいて治療を調整している。
そういう方を診る度話を聞く度に、「一気に治せば良いのに・・・」と思ってしまう。肘をそのままにしておけば、肩は良くなったかもしれないが、そんなに遠くない将来必ず肘痛を訴えてくる。それをほったらかしにすればまた肩の痛みが出る。その時、「あ、あの時に肘も一緒にやっておけば良かった」と言うだろう。
この「一気に治す」というのは肩と肘だけでなく、全身を隈無くと言いたい。
歯も耳も口の中も心臓、胃腸、婦人科に至るまで全てである。
それが終わって気分的には、「私はもう病気がない真っ白、純白」と感じた瞬間に幸福感が湧いてくる。
しかし何箇所に残したままだと、「何時も医者通い」「もう年だから完治はしない」「この程度は諦めるか」とマイナスの発想しか出てこない。
しかし一気に治すと多少具合が悪くても、「私は純白だから・・・」とマイナスの発想が出にくい。
人間というのは微妙なものでこう言う所に、幸福になる鍵が隠されている。
何処かの医者で何か言われたら、「いい機会だ、1ヶ月かけて全部チェックしよう」ぐらいの気持ちになって戴きたい。ダラダラ治す人の心理と全く違うことをお約束する。