以前、糖尿病患者で、「野菜は食べれば食べるだけ、糖尿病が良くなる」と言っていた人がいたが、これは間違いである。何故かそういう方は甘い野菜ばかり食べる。キャベツ、ホウレンソウの根っこ、ネギの白いところ・・・。これには当然糖分がある。「キャベツは胃薬(キャベジン)にもなっているぐらいだから食べるほどいい。」と理屈を言う患者もいる。セロリ、パセリ、水菜なら糖分はないが、野菜なら大丈夫ということはない。これと同じで、骨折のあと医者から、「骨がもうくっついているので大丈夫です。」と言われ、どんどんリハをする人がいる。我々から見たら、「骨はいいかもしれないが、神経が興奮しているので負担をかければ必ず痛みは出るもの。歩けば歩くほどいいという事はない。歩いた後に痛みなければまだいいが、後で痛くなるようならそれはやり過ぎである。」と指導している。そうすると患者から、「なんで骨に問題ないのに、神経だけ残るのですか?」と聞かれたので、「骨折してから2ヶ月ぐらいではまだまだ完治しているとは言えない。少しでも負担をかければ身体は本音として止めてもらいたいと思っている。だから神経が小言を言う。小遣いを使いすぎないように奥さんが文句を言うようなものである。」と説明したら、「わかりやすい。奥さんの小言がなければ一杯お金を使っちゃう。」と言っていた。骨がくっついた後は神経が支配権を持つのである。
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