色々な方の身体を診ていると、「仕事で毒を飲んでいる人が多い」と感じてしまう。若い頃は仕事を覚えるまでに苦労するから仕方がない部分はあるとは思うが、ある程度ベテランになっても毒を飲み続けている方もいる。私も病院勤務時代に月に一度ぐらいは朝全く起きられず、時々休んでいたが最近は全くそういうことがない。少し偉そうに言うと仕事が道楽か趣味になってしまった。これは突然なった訳ではなく、難しい患者をこなしながら病気と闘ううちに、そのコツが分かってきて段々楽しみを見つけられるようになったからである。ようは仕事に勝っている訳である。治せなければ負けていることになる。こちらも神様ではないから何でも治せる訳ではないが、長年の知恵で、「この病気は○○先生に送れば良い」と言う答えがわかっているから気が楽である。だから仕事をしていても、自分で治せる患者と治せない患者の区別がはっきりしているから悩みがない。しかしどんな仕事でもこの感覚がなく、イヤイヤやっているといつまで経っても仕事が毒になってしまうと思う。仕事が趣味というのは例えるなら、よくドラマで子供が発熱して、医者に行ってドアを叩く。そうすると病院の灯りがついて、「どうした」「この子が凄い熱で」「じゃ入りなさい」となる。私も休みの日にあまり暇だと誰がぎっくり腰でも来ないかなぁと思ってしまう。結局趣味だからどんどんやってしまう。普段遅刻して出勤する方も、日曜日のゴルフとなると早起きするようなものである。この仕事の道楽化や趣味化が唯一仕事を毒にしない方法だと思っている。
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