病気の予兆について

常連さんが銀座に行った後下痢をしたという。何か食べたのかと思い聞いたら、何も食べていないという。師走のこの時期、冷えだったかも知れない。下痢になってから自宅でビオフェルミンやワカモトなどを飲んで治療したら良くなったという。さすが常連さんだけあって何をすればいいか理解している。常連さんの中には長い病歴を学会で発表することがある。分厚いカルテを紐解いてまとめるわけだが、時々思わぬ発見をすることがある。例えば頭痛の前に咳が出るとか、背中のだるさの後に下痢をするとか、普段は何気なく症状を書いているが、数年分まとめると出てくる症状の予兆がワンパターンであることに気がつく。それがわかると本当に予防できる。頭痛の前に咳なら、その咳を止めれば頭痛は起こりにくい。普通は頭痛と咳を繋げて考えないから、咳と言われてもそのままにしておくが、やがて頭痛になる可能性が高いと放ってはおけない。こういう事がわかると身体は必要な情報を、本当に数多く出しているのだと思う。それを読み取れないのは我々の能力の問題だ。普段は気がつかないが、カルテ整理をしながらこの病気の予兆を知り、一見関係なさそうな症状にも気を配るようになった。神様からご覧になれば、「わしが色々と症状を出して知らせているのに、お前は鈍感じゃなぁ。修行せい。」と言われてる気がした。

image_print印刷する