パソコン病治療のコツ

パソコン病の話は以前から書いている。いわゆる人差し指のクリック病であるが、治療となると中々手強い方がいる。単純に腕を揉んで良くなればいいが、殆どの方は簡単には腕がほぐれない。屈筋や神経の走行、伸筋腱の付着や反対側の治療とあの手この手を使わないといい結果が出ない。そんな時辛いのが指の痛みだけであれば、整形外科でステロイドの注射を勧めている。即効性があり、うまくいけば1回の治療で痛みが治まってしまう。…

心と身体のスイッチ

長年仕事をしていると、患者さんの言葉を真剣に聞かなくなる。「今日は先生、仕事もうまくいったし、心は晴れやか、身体は絶好調だ。」「そうですか、では拝見しましょう。・・・・・・・・・・・・・・。前回と殆ど変わりませんが・・・・・。」「そんな事はないはずだ。気持ちが全然違う。肩こりも感じない。」そんな会話をしながら腕や足など触ってみると硬い。本人も認めざるをえない。そんな会話を2-3回すると、「今日はど…

寝たきりと食生活

風邪で寝込むことはよくある。寝過ぎて腰が痛い経験をされた方も多いと思う。こんな時は注意が必要だ。寝過ぎて腰に痛みの出るところと、食生活で刺激物の摂取、甘い物取りすぎは同じ場所に出る。風邪で寝ているときは栄養を取らなくてはならないと甘い物や、食欲が出ないから刺激物を摂取していると、腰痛が悪化する。水分は必要だが、具合の悪いときは胃腸を休め、ゆっくり寝ている方が良い。栄養のことなど考えなくてもたっぷり…

低周波治療について

太腿や脛が硬く、中々ほぐせない場合はまず鍼を打ってほぐれるかどうか様子を見ることがよくある。それでもだめなら低周波治療をよくする。我々は低周波治療の事をパルスと呼んでいるが、患部2箇所に鍼を刺しその間に電気を流す。昔からよく行われているやり方だが、筋肉痛など一気にほぐれることがあり、いざというときには心強い治療法である。脛のこりも筋肉痛と冷え、ストレスではほぐれ方が違うが、踊りなどをやっている方の…

晩酌は太る

親の介護をやっている方が最近メキメキと太ってきた。話を聞くと夜の10時ぐらいになると介護や家事から解放され、1人晩酌が唯一の楽しみだという。外食なら家に帰らなくてはならないので、ある程度の歯止めはかかるが、自宅なら多少飲み過ぎても問題はない。化粧も落とし、風呂に入った後での開放感はわかる。どんどんお酒が進み、美味しいものも最近はいくらでも産地から送ってくれる。まさに極楽の境地である。色々な方を見て…

18歳と81歳の違い

これもネットで見つけました。 あまりに見事なのでシェアします。 心がもろいのが18歳・・・骨がもろいのが81歳 道路を暴走するのが18歳・・・逆走するのが81歳 恋に溺れるのが18歳・・・風呂で溺れるのが81歳 社会に旅立つのが18歳・・・あの世に旅立つのが81歳 まだ何も知らないのが18歳・・・もう何も覚えていないのが81歳 東京オリンピックに出たいのが18歳・・・東京オリンピックまで生きたいの…

手術と完治

これは以前病院で体験したことだが、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんが痛みとシビレで悩んでいた。医者が手術を勧め画像で色々と説明をして、「この椎間板が悪いことをして、痛みとシビレを出している。手術で取れば良くなる。」ということで手術を受けた。しかし術後、痛みは取れたがシビレが取れない。患者はすっかり完治するものと思っていたので、「先生お陰様で痛みは取れたのですが、シビレがダメです。僕は手術で両方完全に治…

幸福の究極「サザエさん」

私が子供の頃からサザエさんは有名だが、波平さんが54才とあるとき聞いてびっくりした。昔の54才はあんなに年寄りだったのか・・・。そういえば還暦のイメージは赤い服を着た本当におじいさんだった。それはさておき、ある方から、「家内の実家に移り住もうと思っているんだけどどう思いますか?」と聞かれた。「それは最高だね。色々と仕事とか姑問題とか、乗り越えなければならない問題はあるだろうが、それが1番良い。」と…

婦人科の影響を受ける片頭痛と下垂体

少し仰々しいタイトルだが、女性で生理の影響を受け片頭痛の方は多い。薬が効かないかも多く、鼻炎や歯の噛み合わせ、首のゆがみなどが原因なら楽だが、すこし難しくなると甲状腺が絡む。もっと難しくなると下垂体が絡む。下垂体とは何となく聞いたことがあるだろうが、脳の底面で鼻の奥にあり、ぶら下がっているのでこの名前がついた。抗利尿ホルモンや成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモンと性腺刺激ホルモンなどがあり、ストレスに…

差し歯とパソコンでアトピー性皮膚炎

若い男性がアトピー性皮膚炎できた。子供の頃は酷かったが、小学校3年ぐらいで治って社会に出たら、又酷くなったという。子供のアトピー性皮膚炎は多いが、大体10歳ぐらいまでに治まる方が多い。この方はその後完治していたので、社会に出てからのアトピー性皮膚炎が再発したということは明確に原因がある。仕事がきついのか、色々話を聞いたら、22歳で前歯を折ったという。差し歯にして仕事でパソコン仕事が増えると具合が悪…

音楽家の身体は格闘家と同じ

以前から何人かの音楽家を治療している。ほぼ全員に言えることは身体が格闘家と同じである。傍から見ていると音楽家は上品で身体を酷使する格闘家とは全く違うと感じるだろうが、実際はそうではない。自分の才能と戦い、心の中でもがき、挑戦して敗れ、又希望を燃やす。格闘家がアドレナリンが沢山出て、闘う時と全く同じである。決して上品に音楽活動をしているわけではない。以前、亡くなられたN響の岩城宏之先生の話を聞いたこ…

妊娠中に受け入れ体制を整える話

以前から「新米ママ」の解説で妊婦さんの不安や子育てのコツ、子供との関係を話してきた。妊娠中の治療は殆どが腰痛と足の浮腫であるが、治療しながらこれから始まる子育てのために、心と体が準備していると感じる。妊娠前は辛い症状があると完治まで治療を求める方が殆どだが、妊娠中の症状は中々完治しない。腰にしても浮腫にしても吐き気にしても、本人も仕方がないと思っているから、少し楽になればいいやと思っている。子育て…

身体を基準にした生き方

1年前に心臓を手術したが何となく調子が悪く、最近肺炎で入院したという話を聞いた。これはよくあることで、患者さんは心臓の手術をすれば完治して、すごく元気になると思っているがいまいち調子の出ない方は多い。そんな中仕事もセーブせず、手術をしたのだから大丈夫とばかりに頑張ると、免疫の低下と共に肺炎を起こす。本人は、「こんなはずではなかった。」と言うが、我々から見ると、「やはりやりましたか。」と言いたくなっ…

食べられる量と食べていい量は別

付き合いで焼肉を食べ過ぎて調子が悪いという方が来た。断れない状況はわかるが話をしながら、食べられる量と食べていい量は別と言う話をした。胃が丈夫な方はかなりの量を食べられる。何となく能力が高く、偉いような気がするが健康とは関係がない。筋力であれば余裕があるという話だが、食べられる量で健康は測れない。食べていい量をきちんと食べている方の方が健康的である。昔は「恰幅(かっぷく)が良い」というのは褒め言葉…

ピアノと花粉症

最近何となく調子が悪いという方の体を診たら、腕のこりがひどい。腕は使うかストレス以外硬くならないので、何をしたか聞いたら、何もしていないという。腕の硬さから推測して3週間ぐらい経っていたので、2-3週間前は?と聞いたら、そういえば、娘とピアノの連弾をしたという。ピアノは久しぶりだったので、思いっきり叩いたという。原因はわかったが、その頃から花粉症がひどくて、最近は花粉がよく飛んでいのだろうと思って…

煙に巻く

慢性病の方は多い。 肩はこり、心臓は苦しい、胃の調子は悪いし、腹圧も高い、腰はだるいし、足はシビれる。 何処から治療したらいいのか、病気の犯人を捜そうにも色々とありすぎて、何処か一ヶ所だけ治療してもうまくいきそうにない。 そして辛い症状が続いている。 そんな時はのらりくらりと、煙に巻く治療がいい。 腰が辛いと言われれば腰を重点的に治療し、胃腸が悪いと言われればお腹を揉み、患者さんの言われるままに治…

胆嚢と甘い物

仕事でストレスがかかった方が右脇腹がおかしいという。本来なら病院で超音波をしてもらい所だが、本人は肋間神経痛かも知れないので診て欲しいという。身体を診たら心臓、膵臓に異常部位が集中している。「相当なストレスだったのでしょう。」と言ったら、「かなりなものです。」と言う。ストレスは末端に出るので脛など治療しても全く反応しない。心臓の反応も強い。胃を診たら腹圧は高いし、スタマックラインの反応も強い。何処…

頚椎椎間板ヘルニアについて

肩と胸が痛く、手に力が入らないという方が来た。初診時は悪い方の右手の握力を測ったら5kg。これは何を意味するかと言うと、握力が7kgを切ると茶碗を落としたり字が書けない。5kgでは殆ど仕事にならない。その後、病院で詳しく調べてもらったら頚椎椎間板ヘルニアだという。そして医者に手術を勧められ、どうしようか判断に困っているので来たという。また握力を測ったら、7.5kg。何ともギリギリセーフである。たっ…

告知について

常連さんとある方は足の内転筋(内股の筋肉)がなくなり、膝痛がひどいという話をしていたら、「その方は大変ね。」と言う。「あなたも内転筋は弱いから、あまり他人事ではないですよ。」と言ったら、ビックリしていた。「何で教えてくれないの?」「今は膝に痛みを感じないからいいでしょうが、少し危なくなったら言おうと思っていました。」「え、そんな状況なの?」「そうですよ。」「・・・・・。」我々は数多くの方を触ってい…

いつもと違うことをする訓練

金融関係の方から面白い話を聞いた。以前の金融大暴落の反省で、「音楽が鳴り止むまで踊ってしまったことが敗因である。音楽が鳴り止む前に踊りを止めていればこうはならなかった。」と言った方がいるという。これは何とも含蓄のある言葉で、医療にもそのまま当てはまる。薬を飲み続けいつか止めなければと思って止められない。悪い習慣だとわかっていて止められない。その方に、「実際どうすれば避けられるのですか?」と聞いたら…