煙草と胃炎
これは大分前の話しだが、30才ぐらいで開業して何とか軌道に乗せたくて神頼みをした。ただお願いするだけではダメだろうと思い、当時出来なかった禁煙をしますからという願かけをしてお願いをした。止めてみてすぐに体調の変化に気がついた。当時は遅い時間まで仕事をしていたので、数ヶ月に一度は胃炎を起こしていて、まぁこんなものだろうと思っていたが、煙草を止めてからは全く胃炎が起こらない。煙草が肺に悪い事をするのは…
これは大分前の話しだが、30才ぐらいで開業して何とか軌道に乗せたくて神頼みをした。ただお願いするだけではダメだろうと思い、当時出来なかった禁煙をしますからという願かけをしてお願いをした。止めてみてすぐに体調の変化に気がついた。当時は遅い時間まで仕事をしていたので、数ヶ月に一度は胃炎を起こしていて、まぁこんなものだろうと思っていたが、煙草を止めてからは全く胃炎が起こらない。煙草が肺に悪い事をするのは…
久しぶりにぎっくり腰で来た方が前回と全く腰痛の原因が違う。数年前は完全に重い物を持って腰を痛めたが、今回は左の太腿しか硬くない。何があったのか聞いたら、「揚げ物が好きで唐揚げばかり食べて、体重がかなり増え下痢するようになった。」と言う。完全に「胃腸炎による腰痛」である。揚げ物などはうまみ成分が多いので後を引く。中々やめられない。そうこうしている間に体重は増え、胃炎や腸炎を起こし、医者に行けばコレス…
坐骨神経痛で通っている日舞の方が、お寺に座禅の修業に行ったという。坐骨神経痛があるので真っ直ぐは座われず、どうしても身体をどちらかに傾けないと痛みが出てしまうと言う。座禅の最中に体が傾いているとお坊さんに棒で叩かれるという。これは私から見たら、お坊さんは単に左右差がないかだけを指摘しているのに対して、本人は坐骨神経痛を考慮して身体に負担のない姿勢をしている。本人にしたらこの傾きやバランスが良い。も…
常連さんが、「今の症状に対して少し漢方薬はどうかしら?」と言うので、「結構漢方薬は先生との相性があります。症状を医者に言って先生が何をイメージしてどの薬にするかは先生のセンスです。そのセンスがあなたと合えば末永くお世話になればいいですが、合わないと他の先生を探さなければなりません。あなたは今、『腸が動かない』と『浮腫』が辛いでしょう。僕が拝見したら胃炎でした。患者の症状だけ聞いて出す先生とその患者…
常連さんが足の小指を骨折してその後腰が痛くなり、ようやくギブスが取れたので来たという。我々から見ると、ギブス後、2週間ぐらいしたら来ればいいのにと思ってしまう。足の骨折なら6-8週間もすればギブスは取れる。その間医者から安静にと言われたので、患者心理として、「ギブスが取れたら腰を診てもらおう。」となったのであろう。骨折後6-8週間もギブスが取れるまで待っていたら、足や腰にどれだけ負担がかかるかわか…
先日、初めてお伊勢さんをお参りしたが、資料館を見学していて年間1500もの儀式があることや、式年遷宮に関わる職人達の技術継承の話、日に2回天照大神に食事を欠かさず用意していることなどを知って、「我々の目に見えないところでこんな事が行われていたのか」と感じた。 これは歌でも絵でも演技でも何でもそうだが、我々は表現されているものを見ているが、その方達が裏でどんな努力をしたかはわからない。 私は個人的に…
例えば父親が鬱病を45歳から患っていたとする。子供は40才近くになったら、父親の詳細な病状を聞くと自分の病気の予防になる。親が鬱病だからといって子供が必ずなるわけではないが参考にはなる。病状と言っても、「やる気がなかった」とか「頭がフワフワした」など頭の症状だけを聞くのではなく、「喉が痛かった」「腰が重かった」「眩暈が時々した」「口内炎をよく起こした」などはとても重要な情報である。「喉や腰、眩暈や…
膝痛で通っている方が最近少し悪化して、反対側の脚や腰まで痛くなったという。我々からすれば反対側の脚や腰はよく症状が出るところなので、「あ、そうですか」で終わりなのだが、患者にしてみると、今までより痛い範囲が拡がって「反対側や腰ですよ!!」となるのであろう。こういう場合は、適切かどうかはわからないがよく貧乏の話に例える。あるお宅の父親が病気で稼ぎがなくなり、いくら母親が働いても追いつかない。子供はろ…
今まで何度かお伊勢さんに行こうとして縁がなかったが、今回は休みを頂いて初めて参拝した。外宮、内宮の後、鳥羽に宿を取り志摩を巡った。翌日は真珠王で有名な御木本幸吉翁の記念館を見ていたら、足が止まってしまった。翁は代々うどんの製造販売の家系に長男として生まれ後を継いだ。うどんだけでは中々成功できないと行商もしながらある時横浜に行って、天然真珠など志摩の特産物が貿易商品になりうることを確信して海産物商人…
インターネットの発達と共に、患者が自分で色々と病気を調べられるようになった。気になる症状を入れるだけで病態から治療法、何処の病院がいいかまで簡単に調べられる。しかし我々から見ると少し困った事がある。それは、「調べれば調べるだけ難病が出てくる」ということである。例えば簡単な風邪なら、「安静、葛根湯」程度で書くことがない。しかし咳が止まらず調べ出すと肺がんまで行ってしまう。もちろん肺がんのケースはある…
私自身がすべて治せるわけではないので、専門家の先生を紹介することはよくある。先日常連さんが注射を打ってもらったらショック状態になってしまったという。本人は、「少しいつもより注射が痛かった。本当は払いのけたかった。」と言う。注射も場所によっては動脈・血管の際に打つので、我々もそうだが相当の知識がないと危険なことがあり得る。こういう事が起こると医者とは何となく気まずくなる。ではこういう場合はどう対応し…
先日常連さんが、「嫁いでから夫と姑との暮らしが続いた。一時離婚を考えた事もあったが、出戻りで実家に行ったらもっと大変だとわかっていたので我慢した。」と言う。最近は子供が学校に行かなくなったり、仕事場に行けなくなったりという話をよく聞く。昔なら、「働かざる者食うべからず」で終わった話だが、不登校にしても出社拒否にしても根が深い。一つの考えだが、家にいるときに少し親が厳しくするといいと思う。「あなたが…
これは少し専門的な話ですが、新型コロナウィルスの影響ですべての学会がオンラインになり、今までより手軽(仕事も休む必要がなく)に安価(今までの数分の1)で学会やセミナーの講義が拝聴できるようになりました。多いと月に30本ほどの講義が聞けて、専門の整形外科領域以外の眼科、耳鼻科、消化器、婦人科、皮膚科、心療内科などの講義も拝聴しております。こんなチャンスは今までにはなかったので再勉強のつもりで聞いてい…
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眼振(がんしん)とは「眼球が痙攣したように動いたり揺れたりすること」を言います。今日来た常連さんは、「耳鼻科の先生が何故か目を診て、薬を1回やめてみましょう」と言ったという。何故目を診たのかは聞かなかったが少し不思議だったという。これは眼振検査は眼の検査以外に、「眩暈(めまい)つまり耳の検査や脳梗塞など血管の検査」に使われるからです。この患者は身体がフワフワするという症状があり、耳鼻科の先生が眩暈…
以前修業時代にこちらは真面目にやっているつもりだったが患者から、「あれ、先生奥さんと喧嘩した?」と言われて答えに困ってしまった。実は気分的に良くないことがあったのは事実で、こちらにしたらそんな事が患者にわかる訳がないと思っていたところに、言われたのでビックリしてしまった。それから時間が経ち治療院を構えるようになり、新人教育をする中で私が台になってみると、若い先生方の精神状態がビックリするほど良くわ…
昨晩は日本整形内科学研究会の副会長の銭田良博先生にお越し頂き、鍼灸師が国家試験を取得したあとの卒後教育に関して色々とご指導を頂いた。我々の時代は「うちの鍼灸学校に入れば国家試験合格率100%」とやっていたが、最近は鍼灸の免許を取っても就職や開業が難しく中々食べられないという事が段々知れ渡り学校が、「うちの学校を出れば就職率75%」とやっている。以前学会で大学で鍼灸を教えている医者が、「田中君、俺悩…
常連の社長が、「若い社員で気働きのないやつがいる。教えても身につかない。困ったものだ。」と言う。この気働きだが仕事などの場合、次に何が起こるかが想像できないと動けない。会社がある方向に向いていて、上司が何を考え、一つのことをなすために何が今必要なのか、予想する力が必要だ。若い方で何故この気働きが昔より出来なくなったのか理由を考えたが、おそらくそれは普段の生活にあると思う。昔は親が大抵煙草を吸ってい…
よく手術の場面で、「先生、すべてお任せします。」と患者が言っているが、私はこれは少し問題があると思っている。以前もある尺骨神経麻痺の患者が、手術をしたが全く良くならず医者に問いただしたら、「手術は成功しました」の一点張りでそれ以上話が進まない。患者にすれば、手術をすれば治ると思っていたが、医者にしてみたら、やるべき事はすべてやって手術は成功した、あと麻痺が治るかどうかは患者の力と思っている。このす…
年配の常連さんが最近精神的におかしいという。 今まで十数年診てきてそんな事を言ったことは1度もないのに、何故か胸がザワザワしてまるで自分ではないみたいな感じがすると言う。 仕事柄、鬱病はよく診るので、先ずは心療内科で薬をもらいなさいと指導をした。 残念ながら薬の効果がなく、胸のザワザワは治まらないという。 本人にすれば薬までもらって良くならないのは余程悪いと感じたらしく、毎回不安ばかりを口にする。…