食べ過ぎで足の指が痛む

これは滅多にないことだが、先日から足の指の痛みで通っている方が、鍼をやっても殆ど痛みが取れない。気になって全身を調べたら胃酸過多で左脚が硬くなっていたことが原因していた。てっきり足は走ったり捻ったりで痛めたと思っていたが、腰から下の筋肉に全く筋肉を痛めた反応がなく、胃酸過多による足の痛みと言わざるを得なかった。しかしこんな事は滅多に起こらないので、詳細に話を聞いたら、「まず胃酸過多は筋肉の状態から…

体の反乱

何度か体の反乱の話は書いた。今日来た方見事に体が怒っていた。耳が痛くなったことなどないのに、両耳の痛みと発熱。それと味わったことのない足の痛み、完全に身体から、「こんな生活は止めろ。」と言われている。耳も抗生剤をちゃんと飲んだのかと思ったら点耳薬で終わり。頭痛もあったが薬が効かなかったという。中耳炎などで耳に炎症が起こると内耳神経と三叉神経が近いのでこめかみの強烈な痛みが起こる。ちょっとした薬では…

理屈通りにいかない腰痛

足首が硬くて腰に負担がかかり、ヘルニアと坐骨神経痛をおこしている方が通っている。一時期よりはいいが中々完治までいかない。色々な病院で、「腰のヘルニア、痛かったでしょう。神経ブロックでもしたら。」と勧められている。しかし本人は、「神経ブロックは打ったときだけしか効かないから治らない。」という感覚があり受けたがらない。我々からしてみると少し痛みを感じない間に身体は修復がかかるのでお薦めしたいのだが、本…

複雑すぎた膝痛

最近膝痛の方が多いのは私がブログで膝のネタを数多く書いているからだと患者さんに教えてもらった。先日来た患者さんは実に複雑で1時間の治療中、悩んで頭を抱えてしまった。まず右膝痛なのだが、半月板を手術している。術後改善せず、膝の裏が痛いという。そこにはベーカー腫瘍といって少し腫れもある。それ自体は原因ではないのだが、普通の膝痛と少し痛む場所が違う。珍しいなぁと思いながら、全身を拝見するとまずスタマック…

年をとると共感で幸せになる

女性同士の話は共感で成り立っている。 「私○○と思うんだけど。」 「わかる、そうそう・・・。」 「やっぱりそうよね。」 話の内容より共感することが目的に見えてならない。 男性同士の話は結論が大事である。 「やっぱり○○はこうあるべき。」 「でも△△の場合は当てはまらないから、□□がベター。」 「なるほど、一理あるが、こういう例外の場合はどうする?」 「そうか、じゃ、○○でやるしかないか。」 「今回…

ほんの少しの甘い物、古傷、筋トレしすぎ

常連のご隠居さんがすこぶる健康的な生活をしている。3食を2食にし、夜は早く寝て、早朝から散歩にジム、水泳と余念がない。しかしどういうわけか右坐骨神経痛が治らないという。以前この方は甘い物取りすぎで腰痛を指摘していたので、甘い物(特に食後のデザート)に関しては大分セーブしている。身体を診ると、ほんの少しだけ甘い物を食べている。左腰を診ると古傷が反応していて、足まで硬い。太腿を診ると筋肉痛がある。「ジ…

薬をペンチで砕く話

常連さんの身体を診ていたら、珍しく胃炎の反応があった。どうしたのか聞いたら、「この連休中に歯茎が腫れて酷い目にあった。抗生剤と痛み止めと普段から飲んでいる頭痛薬ですっかり胃を壊してしまった。」と言う。それに困ったことにこの方は錠剤とカプセルが飲めない。錠剤は粉にカプセルは中身を出してしまう。中には硬い薬があって、クラッシャーで粉に出来ない場合はペンチを使うという。薬の中には胃酸や膵液などで溶けない…

ボイストレーニングについて

役者さんがボイトレ(ボイストレーニング)に精を出している。横隔膜を激しく動かすらしい。当然肋骨や筋肉など酷使するという。話しを聞いていたら、「右の肺に空気が入りづらい。」と言う。横隔膜の動きも大事だが、肋骨が自由に動かないと空気は入らない。それを支配しているのは右肩甲骨の動きである。肩関節を柔軟にして肩甲骨の周辺の筋肉を緩めなければならない。特に図に示したように背中の両脇がボイトレでは硬くなる。そ…

脊髄損傷が治せる時代

病院勤務時代はリハビリをやっていたので、「脊損(せきそん 脊髄損傷)は絶対に回復しない。寝たきりで良くても車椅子。患者さんにはしっかり伝えなさい。」と言われ続けてきた。 先日、NHKスペシャルで、「寝たきりからの復活~密着!驚異の『再生医療』」を見て、まるで夢を見ているようで感動した。 番組の中で、「今までは薬で治そうとしてきたが、これからは細胞で治す時代」というコメントもあり、iPS細胞がノーベ…

肘の反乱

常連さんがすこし時間にゆとりが出来て、ゴルフで根を詰めている。元々腰痛で通っていた方なので、腰に対してのケアは万全だが肘に対しては何もしていない。案の定肘痛を味わったが、調べてみるも酷い状態ではなかった。肘痛は中々ゼロにするのが難しい。長い経験で頑張って肘を治療していても、中々うまくいかないことはよくある。そんな時整形で1本の注射で劇的に良くなる姿を見てしまうと、まずは整形で注射が第1選択と言いた…

妊婦の骨盤治療

仕事柄、妊婦さんは多い。訴えが殆ど、「腰痛」と「足の浮腫」で、ワンパターンである。最近はネットで「妊娠中に骨盤調整をして安産」などと出ているらしい。我々からしてみると妊娠中は体重の変化、重心の変化、腹圧上昇、下肢の浮腫など腰への環境は悪い。そんな時に安全確実に骨盤治療(仙腸関節)ができるかは極めて疑問である。今だから言えるが、20-30年前は時々治療したあとから痛みが出たと、妊婦さんから苦情をもら…

褒められて伸びる患者

常連さんの中に、「先生、怒らないで下さい。私は褒められて伸びるタイプなんです。」という方がいる。例えば胃が悪い場合、「あなたは胃が悪いね。」と私なら言ってしまうが、そういう言い方をしないで、「ほんの少しだけ胃の調子が悪いみたいだが、これはすぐ良くなるから心配はいらない。こういう経験をしておくと将来安心だから大丈夫。」と言えと言う。普段そういう言い方をしたことがないから、言葉を考えているうちに手が止…

食事指導して感じること

常連さんの尿酸値が高くて食事指導をすることになった。今はスマホで簡単に写真を撮って食事内容がわかる。調べてみるとやたらお茶を飲んでいる。「ごぼう茶」「ドクダミ茶」など、本人は何気なく飲んでいるが、以前から飲み物はチェックして、一番安全なのがクリスタルガイザーと話をしていたが、何となく味がないので、手を出してしまうのであろう。あとはオリーブオイルの使い過ぎ、Bi-Digital O-Ring Tes…

貧血の薬で左肩こり

常連さんが少し疲れやすいというので調べたら貧血だという。医者に鉄剤をもらった。少し鉄剤は便秘を起こすので、その薬ももらったという。身体を診ると腹圧は高いし、スタマックラインの反応もあり、あまり身体は喜んでいないことがわかった。そして今日は左の肩が気になるという。関係があるのか調べたら、お尻の中殿筋がいつもより硬い。これは足の左右差を意味する。本人が思った以上に胃腸の反応が脚に出て股関節まで影響があ…

意外と何とかなる

若い頃は病院や骨接ぎに勤めていて、保険治療ということもあり患者は毎日来る。 治療時間はかなり制限されるが、明日も治療できると思うと治療計画が立てやすい。 よく病院の待合で、「今日は○○さん来ないけど、どこが具合でも悪いのでは・・・。」とやっていた。 朝病院に来るのは日課で、来られないのは余程具合が悪いと患者仲間に思われている。 患者同士も毎日見る顔だから、皆顔なじみである。 そんな中、どの世界にも…

難しい妊婦の腰痛

仕事柄、妊婦さんは多い。訴えの殆どは、「腰痛」か「足の浮腫」である。以前は臨月ギリギリまで治療をやっていたが、最近は予定日より2週間ぐらい早いのが当たり前になっているから、臨月に入ったら治療は断っている。腰痛もお腹が大きくなったことによる重心の変化や足への負担なら治療は楽であるが、時々難しい方が来る。特に尻もちをついて尾てい骨痛や仙腸関節の問題などは、注意してやらないと治療後痛みが酷くなってしまう…

頭痛を我慢しておかしくなってしまった身体

よくメンテをしている常連さんが珍しく左のこめかみが痛いという。調べてみると左腕で異常に硬く、何をしたのか聞いてみたら何もしていないという。左肩も酷く、ヤダモン君まで反応している。前回(10日ほど前)から短期間できついことがあったのか聞いたら、何もないという。特にヤダモン君が気になって、「頭痛の時は薬は飲まないのか?」と聞いたら、「昔はよく頭痛があったが、メンテし始めてから殆どない、しかしここ数日の…

勝ち癖、負け癖

役者さんを治療しながら、「あなたは昔から治療しているから、ちょっと悪い所があれば毎回何とかなっている。これは幸運なことで、例えば今回の足の痛みが治らなかったとする。病院を何件か回っても良くならない。そうすると殆どの方は諦めてしまう。そして別の症状が起こっても治らなかったとする。そんな事が数回続けば、患者は『おれは昔から症状が出ると治らなかった。あの時も、この時も・・・・。その連続で落ち込みこういう…

「無理はしなくていい」ということ

どんな症状の患者さんにも、職業的に「無理はしなくていい。」と言ってしまう。しかし本音の部分では、「出来ることまでサボるということではない。」「多少の無理はして欲しい。」「サボり癖がつくと困る。」と思っている。例えば骨折の患者に、「痛みがあるうちは無理はしなくてもいい。」とは言うが、あまり安静を続けて筋肉が廃用性萎縮(はいようせいいしゅく-使わないことにより、筋肉が衰えること)を起こしては何もならな…

万全が良いとは限らない

マラソンをやっている方が坐骨神経痛や股関節痛があるのに、記録を伸ばしている。仕事柄、関節に問題のある方を診るが、万全だからといっていい成績が出るとは限らないようである。多少何処かに問題を抱え、それをかばいながら、工夫しながら、頑張らなくてはと言うぐらいの方がいい成績が出ているように思う。万全と言われれば、人間は安心してしまう。しかし何処かに問題があるとなれば緊張もするし、気も配る。そういう時に思わ…