局所環境論

肩でも腰でも何処が痛くなるかで明確に原因が違う。 腕の使いすぎで肩甲骨の内側、心臓の反応で左の肩甲骨の下、喘息は首の後ろ、寝違いは喘息と同じ場所だが範囲が広い。 腰も甘い物取りすぎで左の腰の上、刺激物の摂取で右の腰の上、ぎっくり腰は腰の下で真ん中、坐骨神経痛はどちらか一側、腸は腰骨の上で左側。 一般的に肩首腰痛と言っても、身体はその原因の違いを明確に表している。 それを正確に読み解くのが仕事だが、…

閉経と解放

常連さんが閉経して、もう女ではなくなったのかしらと言う。この閉経に関しては以前師匠から、「閉経は女性にとって解放である。」と教えていただいた。一般的に女性の生理は12才から48才までの36年間である。多少の前後はあるにせよ、50才に近づくと女性の症状は増える。その中で圧倒的に多いのが不眠である。その次にホットフラッシュ、関節の痛み、だるさ等々、不定愁訴のオンパレードである。極端な女性ホルモン低下な…

転倒事故の後遺症で実は胃炎が原因だった背中の痛み

数ヶ月前に転んで尻もちをついた方が背中が痛いという。誰が考えてもその事故が原因だと思うだろうが、色々と身体を調べても転倒による痛みの反応がない。おかしいと思い話を聞いたら、「転倒のあと医者から出た痛み止めを少量飲んでからその後ずーっと胃が痛い。だから痛み止めは飲みたくはない。その胃が治っていないので市販のガスターを時々飲んでいるが胃が治らない。」と言う。背中の痛みの場所はまさに胃の反応点、左足に出…

意外な検索キーワード(後藤ブログ)

当院ではインターネットで検索をかけて来院された患者様にどういったキーワードで検索されたのかお伺いしています。 本日来院された患者様は「坐骨神経痛」「お腹」と言うキーワードで検索をかけ当院に来院されました。 私たち治療家は坐骨神経痛とお腹(腹筋)の関係はよく知っているのですが、一般の方でこの関係を知っている方はあまりいません。 なぜこのキーワードで検索したのか聞いてみたところ、元々日頃から身体のスト…

患者さんの言葉を信じてあとで訂正

常連さんが数ヶ月前にハムストリング(太腿の裏側)に肉離れを起こした。久しぶりに来て、「今はどうですか?」と聞いたら、「10%残りです。しかし完治しないのはやはり若い頃とは違う。少し悩みです。」と言う。試しにハムストリングの反対側の大腿四頭筋(太腿前面)を触ったら相当悪い。「大腿四頭筋がこんなに硬くて10%残りなら、いかに回復力がいいかと言うことです。周りの環境が悪くても殆ど治っているのですから凄い…

禁酒ってすごい(後藤ブログ)

先日毎月1度定期的にいらっしゃる患者様が珍しく数カ月間をあけていらっしゃいました。 話を聞いてみたところ、毎日1本ワインを飲んでいたのをすっぱりやめたらとても体調がよく、しばらく調子が良かったとのことでした。 この患者さんは左の背中(当院ではすい臓の反応点と言っている場所)に違和感があり、病院で見てもまったく異常がなく、鍼で治療をすると良くなりますがすぐにまた違和感が出てしまうという症状があったの…

腰痛アラカルト

仕事柄、腰痛の方は毎日診ている。一概に腰と言っても場所によってなぜ痛くなったのかの原因が違う。ぎっくり腰は仙腸関節の反応だし、坐骨神経痛なら殆ど一側にしか出ない、腸の反応は特定の場所以外でないし、甘い物取りすぎは左の腰の上、刺激物の摂取は右の腰の上、図には書けなかったが、座り疲れは場所的には甘い物取りすぎは刺激物の摂取と同じ場所。明確に辛くなる場所が違う。だから身体を診て、「これはぎっくり腰ではな…

胸がザワザワする話

胸骨のゆがみについて記事を書いたが、ひどい方だと「胸がザワザワする」と訴えてくる。少しこれは難しい患者で身体を診ると大抵下記のような状況になっている。 ヤダモン-心臓の反応が出ている 腕の反応点が硬い 喘息や寝違いの反応点も出ている 腕の反応点と同じ高さで背骨の際に肋間神経の反応点が出ている 上記のものがあると胸骨がゆがむ。少しマニアックな話で恐縮だが、左の肩甲骨の間は数cmの所に色々な反応点がつ…

胸骨のゆがみ(胸の真ん中の痛み)

肩や首の治療をしているとなかなか良くならない方の中に、胸骨のゆがみを見つけることがある。胸骨とは胸の前面(胸の真ん中)の骨で肋骨と少し不安定な関節を形成していて、ちょっとのことでゆがみやすい構造をしている。そこに肋間神経がかかわっているものだから、ゆがむと鋭い痛みを出す。少し触っただけでも飛び上がるほどである。治療法はすこし叩く程度で改善するのだが、こじらせると咳が長引いたり、手のシビレが良くなら…

安眠に関して

常連さんが酷い不眠ではないのだけれども、安眠のコツを知りたいという。下記の内容は良い睡眠を取るために私が普段から感じていることである。 体が冷えていると眠れない-手足が温かいと寝やすい-湯たんぽなど足が暖かいだけで寝られる-肩や首を冷やさない、夏はアイスノンで寝やすいときがある 真っ暗だと寝にくい-これは真っ暗でないと寝られない方もいる。 室温が低すぎると寝られない 音も適度がいい-無音だと寝にく…

健康法、追いかけているうちが華

患者さんの中に70代でジャニーズを追いかけている方がいる。 話しはいつも同じで、「今度は仙台でコンサートがある。」「チケットが取れなかった。」「オープニングがいつも格好いい。」「投げキッス最高。」とまるで乙女のように話す。 うちに来ると肩や腰がおかしいと言っているが、ジャニーズの話の時は痛みなど忘れているようである。 よくテレビで○○がいいと言うと翌日にはスーパーからなくなるそうだが、健康法は追い…

サービスについて

これは以前帝国ホテルが改装するときに、サービス向上のために部屋数を減らし、お客様のゴミなどは長期間保管するという話を聞いた。紙ゴミひとつも大切な場合があるので、そういうところにまで気を配ったという。この話を常連の会長にしたら、「私も実は以前に帝国とオオタニを使った時にボールペンを忘れてしまって、すぐホテルに電話をしたら、『取ってございます。』と即答したという。しかし先日沖縄のあるホテルに行った時は…

腕の使いすぎで喉が痛くなる話

常連さんが海外旅行で重い荷物と車の運転で、腕がパンパンになってしまった。運が悪いことにその後、腕を振って走ったらなぜか喉が痛くなったという。身体を診たら腕の疲れで出た反応点が喉の反応点とくっついていて、そこそこの範囲に炎症を起こしていた。腕の使いすぎと喉は結びつかないだろうが、ツボの反応点はとても近い。こんな所にも落とし穴がある。こういう場合は喉の痛みだけなので、風邪のように鼻水などは一切出ない。…

耳下腺の腫れに関して

常連さんが一側だけ耳下腺が腫れて気になるという。原因はいくつかある、感染、アレルギー、腫瘍、石、顎関節-噛み合わせ、耳管の問題、慢性中耳炎などである。しかし現実問題、発熱や腫れがあれば抗生剤で治療できるが、多少の腫れは手の打ちようがない。本人は気になるので、1度CTかMRIを撮ったらどうかという話をした。石や腫瘍はわかるし、構造的な問題もわかる。原因がわかるかどうかは別にしても絞りこむことはできる…

イタリアンと腸の動き

以前、辛いものを食べて痔が悪化する話は書いた。昨晩はたまたま定休日だったので、家内と町をぶらぶらしていたら混んでいるイタリアンを見つけた。何とか座れたので思わず色々と注文してしまった。あまり食べたことのないアヒージョやパスタ(少し辛かった)がとても美味しかった。そうしたら家内が「やはり料理にこれだけニンニクを入れ、オリーブオイルと唐辛子を使うと美味しくなる。」と言っていた。普段は仕事柄、定休日の前…

減量できない方の特徴

仕事柄、減量指導はよくしている。以前中年太りで困った方に断食指導をしていたら、「3日間の断食で9食食べ損なった。今はこれをどう取り返すかで頭が一杯。」と言われて、ビックリしてしまった。こちらからするともう過ぎたことなので、取り戻すという発想がない。又旅先では必ず美味しい物を食べる習慣の方は、たまたま食べ損なっただけで、「食べられなかった○○の敵を取る。」と言う話をする。食べられなくて損をしたという…

健康寿命を延ばすには運動や食事より本や雑誌を読んだ方がいい

先日たまたま見ていたNHKでAIを駆使して健康寿命を延ばす解析をしていた。 そのために下記の3つが大事だという。 1.運動よりも食事よりも読書(本や雑誌を読む)が大事 2.子供と暮らすな!一人で暮らせ! 3.ぴんぴんころり 泥棒を捕まえろ 1に関しては山梨県のデータが出ていて、運動とかは最下位、図書館1位という。そして図書館が近くにある人は要介護が低いとデータがあるという。心が動くと身体が動くとい…

「1度治める」という考え方

常連さんの胃が市販薬や灸をやっても今いち治らない。少し長引いたので消化器の先生に胃薬を出してもらった。処方を見て、「これなら治まる。」と思い、今日患者さんが来たので聞いてみた。 「治ったでしょう?」 「いえ、まだダメなんです。」 「あの処方効くはずだけど・・・。」 「ガスター飲んだら楽になったので、先生の薬飲んでいないんです。」 「え、そうなの。」 患者さんにしてみると色々と薬を飲み過ぎるのはよく…

なぜ悪くなったのか、何をすれば良くなるのかわからない梨状筋症候群

梨状筋(りじょうきん)の下から坐骨神経が足に向かって出ていて、梨状筋に問題があると坐骨神経痛を起こす。常連さんが梨状筋症候群になり、治療に手間取っている。カルテを見たら以前も同じ症状でその時も治療に手間取った。今回定番治療をしても殆ど痛みが変わらず、先程診たらなぜか楽になっているという。どうして梨状筋症候群が起こり、なぜ良くなったのかが前回も今回も全くわからない。普通、坐骨神経痛は平らなところを歩…

治療の分かれ目

日舞をやっている方が、膝にピキッという痛みを感じたという。その後痛くて曲げられず、足を引きずっていたという。調べてみると症状は半月板でこのまま悪化させてしまうと踊りに支障が出る。患者さんには次のような話をした。 「よく子供の頃転んで、肘や膝を擦りむきかさぶたを作った記憶があるでしょう。短気な子は風呂に入るとそれをすぐに剥き、血だらけになって又数日すると又剥いてなかなか治らなかった経験もあるでしょう…