症例

ゴルフの打ちっぱなしで短気になる?

常連さんがここ数週間、坐骨神経痛の治療をしている。以前は五十肩だったがほぼ治って最近は腰が気になると言う。新しい年になり、「たまには肩も診てもらおうかなぁ。1.5時間で全身大丈夫?」と聞くので、「大丈夫です。では次回肩も拝見します」ということになり、久しぶりに腕を診たら、論外なぐらい酷い。以前から腕は「使うかストレスで硬くなる」と言っている。話を聞いたら、ゴルフの打ちっぱなしに通っていて仲間がいる…

試験問題を作る人の心理

受験生が何人か来ていて、昔を思い出し話をすることがある。友人で頭の良いのがいて試験問題を見ると、「この問題のひねり方は弱い。もっとここを突いてくれば皆答えられないのに・・・」といつも、出題者の気持ちになって解説してくれた。話を聞きながら、「問題を作る人はそういう気持ちか」と感心していた。例えば歴史の問題でも、簡単に戦争が起こって解決したでは問題にならない。何故か途中で状況が変わり、予想外のことが起…

「千と千尋の神隠し」を久しぶりに見て

たまたま正月の特番で、「千と千尋の神隠し」を20年ぶりに見た。以前見たときよりも見終わったあと何とも言えない心に残るものがあり、少し調べてみた。この作品は宮崎駿監督が個人的な友人の娘、10歳の少女を喜ばせたいということから始まった。 物語は10歳の少女、千尋は両親と共に引越し先の途中、森の中に奇妙なトンネルを見つける。そこには八百万の神々が住んでおり、人間が入ってはいけない世界だった。両親は食堂で…

オリーブと胃炎

常連さんが少しつまみでオリーブを数個食べたら酷い胃痛で、救急車を本当に呼ぼうと思ったという。こういう場合初期なら吐けばいいが、吐けない人もいる。上手いこと下痢をして全部出てくれればいいが、胃痛が辛くて腹筋に力が入らず出せない人もいる。本当に酷ければ病院に行って点滴だが、自宅で何とか対処する方法もある。まず楽にしたいのが胃の痛みである。これはブスコパンが効く。次に下痢だが、正露丸を普通は3錠程度だが…

腰の柔軟性と寝違い

正月あけで何人かが、「寒かったので殆ど家にいてテレビばかり見ていて」と言う。中にはいつも運動しているのにサボった方もいた。我々は触っただけで、「この正月、いつもみたいに運動をしなかったでしょう。いつもと全く違うところの筋肉が硬くなっています。おそらく座りっぱなしでテレビでも見ていたのではないですか?そういう時身体は、血行不良で腰が硬くなってしまいます。」とわかる。「そうなんです、何故か首までおかし…

五十肩まとめ

何故か最近は五十肩が多い。以前から何度もブログは書いているが、同じ質問ばかり来るので少しまとめてみたい。 「突然痛くなったのですが・・・」-殆どの方は突然発症します。徐々に痛くなったという声をほとんど聞きません。コップに水を入れ、器を越えた途端こぼれるような感じで起こります。 「レントゲンは必要でしょうか?」-必要です。石灰化などがあると肩関節に注射をして頂く場合がよくあります。比べると初期に注射…

治療は芸術

新春の始めのブログなので、少し芸術の話をしたい。 仕事柄患者さんの痛みや不具合いを治せば良いのだが、この仕事にはもうひとつの側面がある。 それは「治療は芸術」ということだ。 どういうことかというと、例えば肩の痛み一つ取っても薬や注射で治す方法はあるが、マッサージと鍼を好む方もいる。 何故なのかと考えると、おそらく我々の治療に何とも言えないぬくもりや優しさ、温かさを感じているのではないだろうか。 芸…

神様との謎解き

常連さんから、「先生は疲れないのですか?」と聞かれ、「もうこれぐらい長い間やっていると道楽と言うか、趣味になっている。何が楽しいのかと考えるとこの仕事は、『神様からの謎解き』といつも感じている。難しい患者が来ると、神様が『お前、この問題解けるか?』と試されているようで何とか解こうとする。解けたときの快感は格別で、それがあるから飽きずに出来るのだと思う。もちろん解けないと何日も考えたり、実験をしたり…

胃腸も筋肉

常連さんが健康診断の結果、少し痩せているので注意されたという。体重と身長の関係はBMIと言って、統計で身長にふさわしい体重が分かっている。太れば問題があるのは知っていると思うが、痩せすぎていても呼吸器や免疫が下がる。やはり適正体重が1番病気が少ない。よく女優さんでテレビに映ると太って見えるので、体重を気にしている方は多いが、胃腸や呼吸器、肩・腰・足など全て筋肉で出来ている。呼吸するのも筋肉、消化す…

自分の身体が何に反応するかを知るのが財産

常連さんでクリエーターの方が、ここ数週間、根を詰めて仕事をしたと言う。ストレスの典型的な反応、「ストレスと末端のこり」が見事に出ている。治療しながら、「ある程度の年齢になればセーブもするが、若い方だと限界まで突っ走るだけだろうなぁ」と感じた。以前ある方から、「休むことを仕事とせよ」という素晴らしい言葉を聞いて以来、多くの方に伝えているが、中々浸透しない。では無理をすると何が起こるかであるが、「体に…

身の耳閉感を腕で治す話

以前からメニエール病など耳に違和感があった方が、今までEAT(Bスポット療法)で良くなっていたのが、最近はやっても何故か良くならず、耳閉感まで出てきたという。話を聞くと、コロナの影響で完全にテレワークになり、今までよりパソコンに向かう時間が増えたという。ここまで話を聞いただけで、「原因は長時間のパソコンのやり過ぎによる腕のこり」とわかった。実際マウスを持つ右腕を触ったらかなり痛がる。以前から、「腕…

今度こそお正月は断食を

毎年この時期、患者さんには、「年越し蕎麦を食べたら三が日は断食。四日から少し食べ始め、正月七日には七草を食べ、八日から普通の食事」と何年も言い続けている。 殆どの方はやらないが、時々実行する人がいる。 「あなた、偉いね」と言うと、「え、インフルで発熱して食べられませんでした」という返事が返ってくる。 まぁ、何でもいいから食を控えてくれればと思ってしまう。 何時から日本ではお正月にご馳走を食べるよう…

筋トレを始めようと思うのですが・・・

すこし難しい首の症状で通っている常連さんが、1年ぐらい治療しておおよそ7-8割楽になった。残りの治療は難しいが本人が、「筋トレを始めようと思うのですが・・・」と言うので、「それは良い。是非トレーナーをつけて下さい。」と指導した。首肩の筋トレは我流では難しくやはりプロの指導がいる。今まで何人かプロのパーソナルトレーナーをつけて首肩の症状が改善した方達を見てきたので、折角やるならそこまでやった方がいい…

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)について

女性がよく閉経後に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を指摘され、医者から「カルシウムを摂りなさい」と指導されています。しかし現実はカルシウムだけでは骨がパキンと折れやすく、粘り気を出すためには「蛋白質」が必要です。そして、それ以外にも大切なものが後2つあります。「日光」と「振動」です。日光を浴びないとビタミンDが出来ません。ビタミンDは骨の材料となるカルシウムの吸収を助けたり、カルシウム不足の時は、尿…

出産がゴール

以前知り合いの産婦人科の先生から、「田中君、俺悩みがあって妊活している人達が出産がゴールになってしまっている。そこに至るまでに色々と薬を使ったり、何か言われたりする度に疲れ切って、金もかかるし、本人にしか分からない悩みが沢山ある。僕は産婦人科医だからちゃんと生まれるようにすればいいのだけど、そういう妊婦さんが『出産がゴール』と思っていて産んだ途端、『終わった』という達成感に包まれ、子育てをする力が…

本当に頭のいい人

仕事柄色々な職業の人が来る。話をしていていつも、「本当に頭のいい人は質問のレベルが違う。決して小手先のことを聞かない。もっと根源的なところをついてくる。」と感じている。先程受けたセミナーでも整形外科の教授が、「ストレートネックは多いが、本当に肩こりと関係あるのだろうか?」という講義をして下さった。我々の感覚からすると、「レントゲンでストレートネックと言われたのなら、首や肩がこっても仕方がないです。…

ゴルフにはまる理由

仕事柄、ゴルフにはまる方は多い。テニスやトライアスロンもそうだが、お仲間との関係が大きく影響している。 ゴルフを始めた頃は周りがよく褒める。 「初心者にしては球が真っ直ぐ飛ぶ。このまま練習すれば、シングルまでいくのでは・・・。」 「ドライバーもクラブを変えれば30ヤードぐらいはすぐ伸びる。」 「今度我々と一緒にプレーしませんか。」 ゴルフづきあいが始まり、本人は寝ても覚めてもゴルフが気になってしま…

こういう場合は、医者に任せられる

先日、「先生にすべてお任せはダメ」と書いた。医者が描いている病気の変化と患者がイメージしているものが違うのである。昔なら狭い社会で台所や屋根、庭の手入れなどいつものなじみの方に治してもらい、見積もりも取らなかった。頼む方も大体こんなものという感覚があったし、実際やって貰ってもそんなにイメージしたものと差はなかった。なじみの大工さんも先代から知っているような方だと、お互いの家の事情が全て分かっていて…

その時に必要な治療

股関節を手術した方が通っている。経過は順調でプールでリハビリを始めた。普段の生活には問題ないのだが、軽いマラソンをしたいという気持ちがあり、筋トレのつもりでプールで500mぐらい歩くと痛みがでる。医者や理学療法士に相談しても、「手術しましたから無理をなさらず。辛ければ注射でもします。」程度の診察で、痛みが続くので少し落ち込んでいるという。こういう場合はマッサージで筋肉を治療すれば簡単に回復し、又歩…

身体に従うとは

常連さんが首を痛めて通っている。今回首を痛めたには理由があって、「身体の中の2人」という話をした。それは「本人の気持ち」と「身体の本音」で、身体を痛めるのは「身体の本音」を無視すると起こる。体は嫌がったのに酷使したわけだ。スポーツ選手だと辛い症状と闘わないと上達しないみたいな感覚を持っている方が多い。我々から見たら壊れるだけなのに、なかなかそこは理解して戴けない。少し例え話をしたい。若い頃つき合っ…