症例

コロナ生活で身体のここがやられる

もう1年以上、自粛やテレワーク、外出控えをしていると身体も変化してくる。身体の変化で1番多いのが、「コロナ太り」「寝違い」「ハムストリング」「首のゆがみ」である。自宅での時間が増えると少し料理にこだわる方が増え、食べることが最大の楽しみとなり、お酒も増える。そんな生活を続ければ当然、「太る」。ソファーにいる時間を長い。好きなビデオを何時間も見ている。当然、「寝違い」は起こる。次に身体は胃腸に負担が…

医学と医療

昔脳出血の患者が、「複視(物が二重に見える)が治らない。」と言い続けていた。担当医はおそらく、脳の損傷のレベルから見て治癒の見込みなしと考えていただろうが、初老のリハビリの先生が患者の話をよく聞いていて、相談相手になっていた。患者は事ある毎にリハの先生に、「複視が治らない。」と言い続け、リハの先生も、「そうか。中々複視はね・・・。難しいんだよ。」と言うだけで、こういう事をやったらよくなるという話な…

包帯の効能

常連さんが膝が治らないという。あまりに長引くので前回、サポーターを試してもらったら調子が良いという。仕事柄少し体を使うので、「前回の黒い膝サポーター、まさか黒いズボンに目立たないようにつけてはいないでしょうね。」と言ったら、「はいそうしています。」と言う。我々から見たらこれは逆で、白いズボンに黒いサポーターなら目立って、初めのうちは、「膝どうしたの?」と言われるが3日もすると誰も気にしなくなる。電…

低体温について

常連さんが、「今日行ったところはとても冷房が効いていて、冷えて体調を壊した。」と言う。この方は以前から低体温とは聞いていたが、あまりに冷えていたので、少し低体温に関しての話をした。漢方では「大椎 だいつい」というツボが首の後ろにあり、風邪などで寒気がして鼻水の止まらない時にここにお灸をするとすぐに止まる。身体が温まるツボとして有名である。自分でお灸が出来なければ直貼りカイロなどを貼るといい。「直貼…

悪に遠ざかる

常連さんが、「ここに初めて来た時は腰が酷くてどうにもならなかったが、最近は週に2回ゴルフをやっても辛くない。」と言う。定期的なメンテが功を奏している。我々が常連さんを診ていて感じるのは、「定期的なメンテは悪から遠ざける効果がある」ということだ。例えば自宅の近くにお寺があり、お坊さんと仲良くなった場合、「今度、寺で座禅をやるから来なさい。」とか、「両親を大切にしなさい。」とか、「お天道様が見ている。…

首の横が硬くなる理由

首の横の筋肉を胸鎖乳突筋と言います。この筋肉が硬くなる理由は下記の3つです。 不眠 ストレス(脳神経の中の一つ副神経が入り込んでいるため) 周辺の環境(耳が悪く、喉が痛い、姿勢など) 「不眠」も「ストレス」もどちらも脳の関係です。脳神経は殆ど頭や顔を支配しているのですが、一部首や肩などにも神経の枝を伸ばしています。「不眠」も「ストレス」などで脳神経が興奮すると、支配下の筋肉が硬くなります。これは臨…

変形性股関節症と言われて

最近は変形性股関節症の方が多い。レントゲンやMRIを撮り、「あなたの足は変形性股関節症です。今は痛み止めの注射をして少し様子を診ますがやがては人工関節です。」と言われている方は多い。レントゲンを診て相当酷い骨の変形なら人工関節以外の選択肢がないので、時期を見て手術をすれば良いが、50-60代で少し無理をした時だけ痛みがあり、安静にすれば治る場合など、人工関節と言われてもピンとこない。最近はよく痛み…

瘢痕と火傷

瘢痕(はんこん)とは簡単に言えば、「傷あと」です。例えば肩の骨を折って金属のプレートを入れなければならない場合に、切ったところが皮膚の弱いですと瘢痕、ケロイドになったりすることがある。肩関節のリハビリの時はその瘢痕に触らないように気をつけるのだが、関節の状態が良くなると今度はその瘢痕が原因で可動域に制限がかってしまう。そうなると今度はその瘢痕を少しいじるわけです。もちろん皮膚の状態が落ちついてから…

清潔と清潔感

これは昔テレビを見ていたら、ある刑事が、「犯罪者の女性から事情を聞く場合、清潔感のない刑事が聞いても口を割ってくれない。いくらその刑事がお風呂に入ったあとでも、女性が感じるのは『清潔感』で実際の清潔とは違う。その女性心理がわかってから、相当清潔感に気を使うようになった。」と言っていた。これには思い当たる節がある。我々男性から見ればお風呂に入っていれば清潔、入っていなければ清潔でない。女性はたとえお…

リハビリの後に出た痛み

常連さんが少し首の調子が悪いので、レントゲンを撮ってもらったら、ストレートネックと言われたという。その後担当した医者から、「少しリハビリをやっていきなさい。」と言われ、治療してもらったらその後、首が痛くなったという。我々から見ればその苦情は病院に言って欲しいが、本人は、「リハビリをして痛いのは当たり前。こんなもの。」と思っていたらしく、病院に苦情を言っていないという。では中華屋さんでラーメンを食べ…

悩み方にもコツがある-3

今日来た高校生は運動部で最近大会でいい結果が出せずに落ち込んでいる。少しミスをしたらしいのだが、本人にしてみれば大きなスランプであろう。そこで話を聞いてみた。「落ち込む気持ちは分かるがその悩み、解決法はないの?」「いやあります。すこし時間をかけてちゃんと何が問題だったのかを見直して、地道にやっていけばスランプから脱せると思います。」「え、解決策分かっているの?じゃ悩む必要ないじゃない。解決法がわか…

治療の価値観

主婦の方なら生活品はなるべく安いものをという気持ちは分かる。しかし趣味のものとなるとどうしても高い物の方が価値があるように感じてしまう。治療や健康法も同じで、高いと価値があるように感じている方は多いのではないだろうか。しかし我々から見ると治療法にかかるお金とどれだけ健康になるかはほとんど関係がない。以前、中年男性が少しお腹を引っ込めようとして脂肪を分解する治療を1回15000円で受けていたが、我々…

こりをたたき壊す

今日来た方はテニスのやり過ぎで脚の筋肉がガチガチになっていた。筋肉,硬さもある程度なら十分ほぐせるが、ある一線を越えてしまうと揉んでも全く反応しない。こうなると方法は2つ、鍼を使うか、筋肉をたたき壊すかである。たたき壊すというと少し語弊があるが、我々の感覚ではよく公園にシーソーが置いてあり、錆びて動かなければ初めのうちは油を差すが、全く動かなければトンカチで叩く。このトンカチで叩く感じを「たたき壊…

「何を食べるか」ではなく「どう食べるか」

患者さん中には、「マクロビや栄養学を勉強して○○を止めたり、△△をよく摂ったりしています。」と言う方は多い。気持ちは分かるが、我々から見ると、「○○の栄養素を摂っても身になる保証は全くない。」と言いたい。問題は感情や腸内細菌で、嫌な気持ちで食べていれば胃腸は働かない。いい栄養を摂ってもそのまま出してしまう。しかし喜びながら食べると、胃腸の働きは良くなり、多少の栄養不足も何とかなる。昔日本が貧乏だっ…

港区の坂

常連さんが少し膝にエアコンの風を当て続けたら、激痛で歩けなくなってしまったという。近くの整形で診てもらってレントゲンでは異常がなく、薬をもらったが、「安い整形の薬ではそんなに効かないだろう。」と飲まなかったという。その後すぐに来て、薬を見たら、普通のロキソニンという鎮痛薬ではなく、「ノイロトロピン」が処方されていた。患者さんにしてみたら、「ロキソニンとそんなに違わないだろう。」と思ったのだろうが、…

芳醇と崩壊

40代の常連さんが、「最近筋トレをしてもなかなか前みたいに戻らない。以前なら負担をかけて筋肉の状態が(-2)まで行ってもちゃんと(+3)までなったのに、最近は(0ゼロ)まで持っていくのがやっと。なんとも寂しいし、悔しい。筋トレを続けても広背筋(背中の筋肉)が辛くなるだけ。」と言う。これは完全に身体から拒否されて、こんな筋トレは止めてくれと言われている。年をとって若いままの筋肉を維持したいという気持…

いくらガンガンやっても取れない背中の痛み

常連さんが背中を痛みを訴えている。理由は夕食後テレビを見ながらソファーで寝てしまい、首や背中に負担をかけてしまったと言う。昔は背中のこりに対してこれでもかと強い刺激を与えればいいと思っていたが、あまり治療成績が良くなかった。鍼もより深く太くしても、残り2割程度がどうしても取れない。ある時、あまり変化しないので少しあきらめて別の場所を治療していたら、背中の硬さがなくなっていた。これには驚いて理由を考…

全く違う内股の痛み

昨日は全く違う原因の内股の痛みの方が来た。はじめの方は鼠径(足の付け根)の手術をしていて、足の浮腫を気にしていた。突然膝の上の内股が腫れ歩くのも大変だという。触ってみたら赤く腫れている。手術した先生も、「血管やリンパをいじっているから・・・。」と腫れるのを気にしていたという。こうなると出来れば手術した先生、だめでも血管外来の先生に診て頂かないといけない。近医の血管外来で診て頂き、血を抜いてもらった…

薬包と薬価

昔ある女医さんが、「俺は社長で今まで既製品の薬は効かなかった、高い薬を出してくれ。」と患者から言われた。女医さんは機転をきかせて薬剤師に、「出そうと思った薬を全て粉にして薬包(昔薬を包んでいた三角形の包)で出してあげて。値段は10倍。」と指示をした。数日後、その社長が来て、「やはり高い薬は効果が違う。すぐに効いた。」と言ってきたという。そこで女医さんが一言。「今までと同じ薬を粉にしただけなのに・・…

自分の身体のことは分からない

最近常連の社長が、「今日は何処が辛いですか?」と聞くと、「んまぁ、ちょっとやってくれる。」と言って自分の辛いところを言わない。いつものように治療が始まれば私は、「何ですかこの腰・・・。」とか、「首が何ともない。ヤダモン君もない。」などと感じたことをしゃべりまくる。社長はおとなしく聞いていて、「ふーん、そうか。そんなに腰は悪くないんだなぁ・・・。」とか、「心臓もゆとりがあるのだなぁ。」と一人言を言い…