キーワード 生き方

悩み方が下手

以前ブログで、「『気持ちに余裕がない』は心の問題ではない」と書いた。常連さんが珍しく喉を痛がり悩んでいた。今までは元気だっただけに少し喉が痛いだけで大騒ぎである。「身体の幸福」でも書いたが、「朝起きてから夜寝るまでに身体の事が頭に浮かばない」のが1番幸せである。しかし喉が痛いと、「あ、今日も喉が痛い。ちゃんとしゃべれるかなぁ。何時治るのだろう。インフルかなぁ、コロナかなぁ、薬は効くかなぁ・・・」と…

目に見えないところの努力

先日、初めてお伊勢さんをお参りしたが、資料館を見学していて年間1500もの儀式があることや、式年遷宮に関わる職人達の技術継承の話、日に2回天照大神に食事を欠かさず用意していることなどを知って、「我々の目に見えないところでこんな事が行われていたのか」と感じた。 これは歌でも絵でも演技でも何でもそうだが、我々は表現されているものを見ているが、その方達が裏でどんな努力をしたかはわからない。 私は個人的に…

鎮痛剤や神経ブロックは「休戦状態」

仕事柄、患者さんが「鎮痛剤は病気を治していない」と言われるが我々は違う考え方を持っている。身体が痛みに耐えていると神経は興奮するし、胃腸は動かないし、免疫は下がるし、良いことなど何もない。以前から、「我慢弱い生き方」を言い続けているが、中々日本人の中にある、「痛みに耐える文化」や「痛いと言うことが恥、はしたない」から中々抜けだせない。痛ければ薬でも神経ブロックでもすればいいと思うが、「それは病気の…

仕事のリセットには2ヶ月かかる

以前ブログで、「どんなに辛いことでも体は2年で回復」と書いた。人が味わう不幸で、会社が倒産したとか、離婚をしたとか、子供を亡くしたとかが一番きつい。しかしそういう方達の身体は2年で回復する。心が完全に癒えるわけではないが、体は回復する。これはあまり例外がない。おそらく辛いことも身体は2年以上、それを保持できないのではないかと思っている。今日来た常連さんは前職が辛くて転職したのだが、又辛くなり、また…

触らない治療

最近は病気の説明ばかりで患者に触らないうちに時間が来てしまうことが多い。 「乳がんの治療をしていて最近は鬱病っぽいのですが、どうしたら良いでしょうか?」 「中々やる気がなく休職中で飲み薬に効果を感じないのですが、どうしたら良いでしょうか?」 「よそで腰に鍼を打ってもらって7割は治ったのですが、残り3割がどうやっても取れません。」 「足の付け根が痛く、医者に言うと酷くなってから手術としか言われないの…

健康格言

キリスト教徒の内村鑑三が、「人は後世に何を遺して逝けるのか。清き金かそれとも事業か、著述をし思想を残すことか。それとも教育者となって学問を伝えることか。しかし何人にも遺すことができる最大の遺物がある。それはその人らしい生涯を送ることである。」と説いた。 私も還暦を越えだしてから、何か後世に役に立つものを残したいという気持ちが出てきた。 では何を残せるかだが、仕事柄「健康格言」しかない。 普段何気な…

男性の更年期とオープンリール

還暦を迎えた常連さんが、「先生は還暦の時に何か感じた?俺、あまり嬉しくないんだよね。」と言うので、「僕は特別には何も感じなかったです。仕事柄、男の38才説で色々と訴えてくる方はいますが、おそらく昔聞いた話が影響していると思います。20年ほど前に何か困った事があると相談にのって戴いていた師匠から、『よく男が40才になると、人生半分来たなどと言って立ち止まる奴がいる。生き方というのはオープンリールでい…

上医、中医、小医の違い

中国の孫思邈(そん しばく)という医師は、「上医というのは国を治す、中医の医者は人を治す、下医の医者は病を治す」と言っています。 また医を上、中、下に分けて、「上医はいまだ病まざるものの病を治し,中医は病まんとするものの病を治し,下医はすでに病みたる病を治す」ともいわれています。 病気だけでなく、国を治したり、人を治したり、予防の話など昔から人類は気がついていたわけです。 私自身も振り返り、昔は「…

健康法を学ぶ機会がない

患者さんとよくしゃべっていて、良く感じるのは、「健康法を学ぶ機会がない」ということである。小学校で理科か保健体育の授業で、心臓、血管、肝臓、肺などは最低限学ぶが、そこから病気の話には中々ならない。持病でもあれば病院に通いながら色々と病気のことなど覚えるが、お産以外医者にかかったことがない方だと、何処で健康法について学べば良いのだろうか?親が健康オタクなら色々と言われるだろうが、殆どの方は社会に出る…

仕事の本質

大分前だが『アポロ13』という映画を見たときに、「こんなに色々な場面を想定していたのか。」と感動した記憶がある。 宇宙飛行士の訓練も殆どが事故やトラブルのシミュレーションばかりだと聞く。 以前、「仕事が辛くなるとき」でも書いたが、「不測の事態を想定して準備をしておく」ことが仕事の本質ではないだろうか。 数ヶ月前に当院のホームページの管理をお願いしている方に、「ホームページの更新が来ていたので、更新…

おおらかな時代

常連さんに昔話をしながら少し思い出したことがある。以前、先生を育てる患者でも書いたが、バブルの前はおおらかな社長がいた。「この間頚が痛いときに腕をやってもらったら楽になった。今日は少し反対もやってくれ。」と言われやってみると、「これ良いね。試しに脛はどうだ。」と言われこれもやってみると、「益々いい。なんか頚だけやるよりも違うところから攻める方が効くんじゃないか?少し他の患者でも試してよければ教えて…

標語

この年になると説教臭いことを言いたくなる。 よく偉大な経営者が、「1日1話」を書いておられるが少しだけ真似しようと思う。 長年の経験で健康保持のポイントだけをまとめてみた。 【命】親からもらったこの身体、自分で作れないこの命、粗末にできる道理がない 【親を選ぶ話】子供は生まれるときに自分で親を選んで生まれてくる 【身体は借り物と思えば良い】借り物と思えば無理はしない 【どんなに辛い事でも回復出来る…

「解決」と「創造」

テレビを見ていたら東大で有名な林先生が、「仕事の本質は『解決』と『創造』しかない。」と言っていた。これには唸った。確かにそうである。我々は治療家だからいつも「解決」ばかりやっている。では「何を創造しているか?」と聞かれると目指しているものがある。それは最近LINE@の患者数が220人を超え、ブログを書く度に配信しているが、イメージしているのは「寺子屋」である。健康法を教えるのは当然であるが、日本人…

因果応報

この言葉を聞くと田中角栄総理を思い出す。30年以上前に側近の方を治療していたので印象が強い。総理御本人の回顧録に、「わしは自分でやったことで自分に非難が来るのは構わない。しかし孫が学校で黒いピーナッツを投げつけられ、「お前のおじいさんは逮捕された。お前はその孫だ。」と言われ、泣きながら学校から帰って、「おじいちゃん、いじめられた。」と言われたときは耐えられず泣いた。これはたまらない。」という内容が…

病気と犯人捜し

常連さんが、「うちの社長は何かあるとすぐに人のせいにする。」と言う。この話を聞きながら、ある話を思いだした。大分前にオウム真理教が世間を騒がせていたときに、師匠が「いいか、彼らの話をよく聞いていろ。何かあると必ず人のせいにする。犯人捜しだ。良くないことが起こったらそれは『身から出た錆』、良いことが起こったら『皆様のお陰』という意識を持て。」と教えて戴いた。病気の治りにくい方にもこの傾向はある。「私…

口内炎と能力発揮

芸術関係の方が作品作りで根を詰め、坐りすぎて腰が痛いという。話を聞いていたら、口内炎が治らず肩まで痛いという。身体を診たら、腰は坐り疲れではなく胃腸の反応が強かったので、脚を診たらスタマックラインが綺麗に出ていた。これは口内炎でちゃんと噛めず飲み込むようにして食べて、胃を壊したのではないかと聞いたら、「そうかもしれない。」と言う。そして腸までやられている。口内炎は今は貼るだけですぐ楽(口内炎パッチ…

新型コロナウィルスと生活習慣病

東京ももう少しで緊急事態宣言が治まりそうである。最近の研究ではこのウィルスは肺炎を起こすと思っていたら、「血管炎」の方が重大なことが分かってきた。最近はコロナとの関係も言われ始めている。血管炎と言えば川崎病が有名である。川崎病は川崎教授が発見した原因不明の子供の血管炎である。眼や舌が真っ赤になるのでわかりやすい。新型コロナウィルスが原因はわからないが血管炎を起こすとなると、今年の冬に来そうな第2波…

新型コロナウィルス収束後の社会

現段階で270万人の感染者と17万人の死者を出した新型コロナウィルスだが、2年ぐらいの内にはワクチンや抗ウィルス剤によって、毎年流行のインフルエンザ程度に収まるであろう。 では新型コロナウィルス収束後の社会はどう変わるのか考えてみた。 現段階で感染前と同じ生活には戻らないだろうと想像できる。 観光業や宿泊業、飲食業などは壊滅的な打撃を受け、会社の存続が危ない。 生活必需品や最低限の社会インフラ関係…

懲りない方

坐骨神経痛で通っていた方が、ほぼ治まり準卒業を出した。なぜかその後すぐに来たので聞いたら、「今度はパソコンのやり過ぎで具合が悪く、坐骨まで辛い。」という。腕を診るといかに根を詰めたかがわかる。完全にやり過ぎで神経の興奮とともに、坐骨神経まて反応したのであろう。この問題は殆ど本人の性格に起因する。身体の器が10で心の満足度が15だといつも具合が悪い。15以上やらなければ納得しないし、自分が許せない。…