弱点を何とかするより長所に負担をかける話

あるスポーツをやっている方が左足腰の痛みがなかなか取れない。色々な治療を試すのだが、やはり運動で負荷をかけると痛くなる。昨日自転車をこいで右足ばかり使ったら殆ど左足腰の症状を訴えなかった。これにヒントを得て、なかなか治らない左足腰を何とかするより、右に負担をかける戦略が良いと思った。右にはゆとりがあるので多少無理をしてもすぐに痛みは出ない。自転車なら右のみでこげないこともない。その後走る場合も普通に走れば左側に痛みが出るが、自転車の段階で右に負担がかかっているので、右左のバランスが整うまでは腰に痛みを感じず、後に左腰が痛くなるはずである。多少だが時間が稼げる。昔から長所を伸ばすという話をよく聞くが、弱いところを治療してダメなら、この方法に切り替えるのがいい。こんな事を考えながら100m走のウサインボルトを思い出した。あの選手は側弯症を患っていて、足の左右差がかなりあるという。それを乗り越えるためにどちらかのハムストリング(太腿の裏の筋肉)を現界まで鍛えたという。そして独特の走り方は今までどの理論にもなく、世界記録を樹立した。こういう場合、決して左右のバランスを取ってとは言わない。負担をかけられる方に現界まで負担をかけて弱点を目立たせなくしているのである。レースを勝ち抜くのにこの方法しかない。

 

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