治療目的の違い

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最近若い先生から、「治療技術や考え方などを指導して欲しい。」と言われしゃべっているうちに、ある事に気がついた。
それは「治療目的の違い」である。
わかりやすく言うと、腰が痛い患者に「痛みだけ取ればいいでしょう。」という考え方と、「今後腰も痛くならず病気を避けて、快適に過ごすにはどうしたらいいか。」という考え方である。
痛みだけ取ればいい場合は治療の目的は鎮痛なので、最終的に薬を使えば何とかなる。
しかし今後快適に暮らそうとすれば、食生活や姿勢、胃腸の具合い、脚のバランスから体重の推移、がんの予防や糖尿病、高血圧などと色々指導をしなくてはならない。
そして病気にならないために知恵もあるから色々と勉強して頂かないといけない。
手間はかかるがこうなるとその患者さんを一生診るという事になる。
この考え方で仕事をしているとネタは尽きず、毎回予防など話をしている。
今まで8人に、「先生やめちゃだめだよ。末永くかかるから私が逝くまでは診てね。」と言われ、あと残り3人になった。
1番長い方で38年目間治療している。
治療中は昔話ばかりしている。
「奥様、おばあちゃんが亡くなってからもう10年ぐらい経ちましたか?」
「何言っているの、この間13回忌を済ませたわよ。」
「え、そんなに経ちますか。お孫さんはまだ中学生ぐらいですか?」
「何言っているの、もう来年二十歳よ。」
「え、そんなに経つのですか・・・。」

この治療目的の違いだけで、患者さんとは一生の長いお付き合いになる。
若い先生方にはこの考え方が少し足りないかもしれない。

2019年2月14日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中