治療はただ治せばいいというものではない

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きつい仕事をこなした後、頭痛で来た方がいた。
普通、頭痛というとこめかみか首の後ろが多いが、その方はおでこが痛いという。
場所から言うと少し嫌なところである。
真っ赤な顔をしていたので、「血圧は?」と聞いたら高いという。
「脳の病気をした先祖は?」と聞いたら、殆どが脳卒中で倒れて短命だという。
そして最近、眼圧も高いし太ってきたという。
我々から見ると早くポックリ逝きたいといっているようなものである。
この方には下記の対策をするようにと指導をした。

1.先祖の病気を詳細に調べること
親子3代4代で身体を診ていると、子供の身体は親のコピーであることに気がつく。
先祖の病気を調べることで、完全に避けられなくても大難が小難程度で済ませられる。
2.減量のために減塩食への転換
高血圧予防とメタボ対策で脳卒中のリスクを減らす。
3.血圧の管理
内科もしくは循環器科に行って心臓の検査と降圧剤の服用
4.眼圧の管理
眼科にて眼圧の管理
(緑内障の場合は他の薬とぶつかることがあるので指導を頂くこと。)
5.骨格の治療
これは我々の得意分野である。
首や腰などを調整して、免疫を高い状態で保つ。

こんな話をしながら治療したら、頭痛が殆ど取れてしまった。
しかし本能的にまずいと思った。
これで楽になればまず、当院に来ないだろう。
そうすれば医者にも行かないまま、仕事を継続するのではないだろうか。
そうするとまたリスクが高まる。
こういう場合は少し腹芸で、「なかなか頭痛が取れませんね。後数回かかりますから通ってください。」と言えばその間に医者に行ったかとか聞ける。
このままこなければ、先祖も調べたかどうか疑問である。
治療はただ治せばいいというものではない。
その方がどんな性格でどんな行動をするのかまで理解して、長い将来安全に過ごして戴くために手を打つべきである。
我々は基本的にいかに早く、鮮やかに治すかしか考えていないが、こういうリスクのある方の場合、早く治すことは逆効果になり得る。
そういうところが治療というのはほんとうに難しい。

2015年7月30日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中