解剖を勉強していると内蔵の位置関係が人間関係と似ているなぁと感じる事がある。例えば心臓だが、こぶし大の大きさで縦隔(「じゅうかく」と読む。縦に隔てられたところに入っているという意味。)の中に入っていて、前面は胸骨という骨、左右は肺、後は食道、その後は背骨、下は横隔膜、その下は胃と前後左右上下を囲まれてまるでお嫁さんのようだ。上には伸びられないし、左右に大きくなろうとすると肺が小さくなり困る。後に大きくなろうとすると食道を圧迫してものがのどを通らない。下は横隔膜で胃と繋がっているので下にも大きくなれない。休むことが許されない。晩年には心肥大といって大きくなるが決まったスペースの中で働き続けることを余儀なくされる。狭い中で働き続け、周りに監視され、何とも嫁さんと相容れるものがあると感じる。しかし嫁が止まったら全て終ってしまう。何か1つの臓器が大きくなると必ずその影響で圧迫を受けるものが出る。なかなか自由に羽ばたけないものだ。
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