年配者の時事ネタ

仕事柄、年配の方を治療することは多い。
いくつになっても元気な方に一つの特徴がある。
それは時事ネタに興味を持っているということだ。
仕事が大体1時間だから、初めの15分ぐらいは時事ネタから入る。
総理大臣がどうしたこうした、政治がいいの悪いの、芸能人がどうした、誰が離婚したとか、何処の国が悪いとか・・・。
話を聞いていると新聞をくまなく読んでいるのではないかと思ってしまう。
テレビもちゃんとチェックしている。
毎回、最新のネタを言ってくる。
その話を15分ぐらいしてあとは昔話、それが大体45分。
いつもこの時間割である。
話が自然と昔話に移行しているから不思議だ。
そして昔話はいくらでもネタがある。
毎回変わる時事ネタと引き出しがいくらでもある昔話で聞いているだけでも楽しい。
本人も頭を働かせながら一生懸命しゃべっている。
しかし元気がない方から時事ネタを聞くことは少ない。
世の中に興味がないのか、隠居の身だからと考えているからかどうかは分からないが、昔話しかしない。
おそらくこれは好奇心の違いで、自分が第一線にいようがいまいが関係なく、世間に興味を持っている。
アメリカなどでは24時間ニュース番組があるが、いくつになっても社会との接点や関わり、また自分の立ち位置や他とのバランスの中で自分を見ているのではないだろうか。
時事ネタを言わない方はご自分と身内の話である。
日本もこれだけ高齢化したのだから、退職した後も社会で能力を活かせる環境を作り、生涯時事ネタと関わりながら生きたいものである。

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