パソコン病治療のコツ

パソコン病の話は以前から書いている。いわゆる人差し指のクリック病であるが、治療となると中々手強い方がいる。単純に腕を揉んで良くなればいいが、殆どの方は簡単には腕がほぐれない。屈筋や神経の走行、伸筋腱の付着や反対側の治療とあの手この手を使わないといい結果が出ない。そんな時辛いのが指の痛みだけであれば、整形外科でステロイドの注射を勧めている。即効性があり、うまくいけば1回の治療で痛みが治まってしまう。それでうまくいかなければ連続湿布を患部と腕全体にする。自宅では腕に氷を当てて冷やす。ここまでしなくてはいけないかという方がいるが、腕の症状は肩や首に必ず悪いことをする。火種を少しでも残したくないという気持ちがある。仕事でパソコンを使うのだから、その日の疲れは翌日に残さないでほしい。今までかなりひどいパソコン病を診てきたが、酷くなると右手が動かなくなるどころではない。鬱病まで発症してしまう。そして右腕が回復しなかった方もいた。そんな事を思いながら治療をしているが、患者さんには中々この危機感は伝わらない。「少し冷やせば良いでしょうか。」「その程度では無理・・・・・。」いつも伝わらない歯がゆさを感じながら治療している。

 

 

 

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