胃の内視鏡で「胃は綺麗」といわれて

仕事でストレスがかかっている方の体を診たら、スタマックライン-胃炎の反応がある。「少し胃の反応があります。胃が悪いですね。」と言ったら、「先日胃の内視鏡を受けて、胃は綺麗と言われたばかりだから胃は悪くない。」と言う。本人の気持ちは分かるが、内視鏡でわかるのは胃の機能ではない。取り敢えず空っぽにして胃の内側を覗いただけである。食べ物を入れてちゃんと消化するかはわからない。ちゃんと消化すれば機能は問題ないと言えるが、空っぽの状態で機能が問題ないかはわからない。綺麗なのでおそらく問題はないであろうと予想しているだけである。これは大腸も同じで、内視鏡の結果で安心する人は多いが、それは取り敢えずポリープやがんなどがないというだけである。免疫機能としてちゃんと働いてくれているかはわからない。人も同じで、見た目がいいからと言って黙っていてはどういう方かわからない。しゃべったり仕事をさせれば大抵わかる。我々仕事をしていて問題なのは機能である。逆を返せば多少のポリープがあっても機能に問題がなければそれでいい。ポリープは時期を見て取ればいいだけの話しである。内視鏡の検査の後医者が、「胃の内側は綺麗でポリープやがんはありませんでした。しかし消化機能に関しては食べ物を入れないとわかりません。おおよそ大丈夫だとは思いますが、食後胃もたれなどがあればまた受診して下さい。」と言ってくれれば助かる。

 

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