常連さんの息子さんが腰痛で来た。身体を診るとがっちりしていて筋肉の質が良い。見るからにスポーツ万能という感じである。先ずはじめに足を診たら、硬さに10年程の歴史を感じた。社会に出て何年か聞いたら11年だという。以前に男の38才説を書いたが、どう見てもドツボ組である。体重を聞いたら学生時代が70kg、今が約10kg増えている。なぜ太ったのか聞いたら、お酒が好きだという。膵臓の反応を診たら、余裕たっぷりで全く負担になっていない。「お酒本当に強いでしょう。いくらでも飲めるでしょう。そして美味しいでしょう。」と言ったら、「はい。」と言う。筋肉の質が良いから、スポーツをやっても楽しい、その後のお酒はもっと美味しい。これでは痩せるはずがない。次にお酒は何を飲むのか聞いたら、日本酒、ビール、ワインだという。この方には、「あなたの腰痛は治りません。なぜなら、体重を落とせる要因が全くありません。仕事のストレスをスポーツやお酒で解消し、飲みたくて仕方がない。今後体重は益々増えるでしょう。筋肉の質が良いから少し治療をしただけで腰は楽になってしまう。そうなればまたお酒が美味しい。体重を本格的に落とそうとは思わない。何かで酷い腰痛を味わって懲りれば良いが、今のところそういうことは起こりそうにない。お酒も我々が勧めているのは普段は焼酎かハイボール、人と会ったときだけビール、そして赤ワインなら60cc、日本酒は誕生日とか結婚記念日だけ。これなら確実痩せる。そして食事も少しだけ炭水化物を控えるなどしないと腰は治りません。」と言ったら、「そういうことだったんですか。」と笑っていた。30代男性で同じ環境の方は多いのではないだろうか。この方はきっと15年ぐらいすると酷い腰痛になるのでこれを見越して、カルテに「だから言ったじゃない。」と書いておいた。
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