パッチワークと咳-2

年配の常連さんの肩を診ていて、「今はそうでもないでしょうが、昔は休むことなく手を使ったでしょう。その痕跡が残っています。」と言ったら、「主人を亡くした後で、気を紛らわせようとパッチワークにはまりました。ベッドカバーを沢山作りました。」と言う。手を使いすぎて肩こりだけで済めば良いのだが、実は肋骨を歪ませて胸の前面にゆがみを作ってしまう。これは呼吸器の反応点なので、喉が弱かったり、咳が出たら止まりにくかったりする。本人に聞いたら、「今咳はないが、喉は弱い。」と言う。おそらく、パッチワークと咳は結びつかないだろうが、我々から診ると咳だけ残るのである。治療自体はそんなに難しくはないが注意が必要である。年配の方の治療は過去の身体の歴史が色々と詰まっていて、それを一つずつ解きほぐしていかないと中々いい結果が出せない。ただ薬で症状を抑えるだけではダメである。パッチワークに限らず、手を使いすぎた方で呼吸器がおかしくなっている方多いと思う。注意して欲しい。

image_print印刷する