患者の創意工夫

減量をやっている方が中々成果が出ず、何か良い方法はないのかというので、「食事前にコップで2杯水を飲む。」と指導した。今日来て話を聞いたら、「水ではなく、炭酸にしたら食欲が出ている。全く減量できていない。」と言う。水を飲む話は食前に飲むことで食欲をそぐことである。しかし炭酸水は胃薬なので、炭酸では逆に食欲を出してしまう。胃粘膜の状態が良くなれば食べたくなるのは当然である。やっていることが全く逆である。これは以前にも書いたが、膝痛で患部に熱を持っている方に、「ビニール袋に氷を入れて患部を冷やす。」と指導しているのに、患者が創意工夫をして、塩を入れたり、保冷剤を使ったり、酷い方はドライアイスを使う方もいた。話を聞くと、「こっちの方が長持ちしたり、効率がいい。」と言う。しかしこちらは長年やって安全確実に患部の熱を取る方法を言っている。創意工夫はいらないのである。塩やドライアイスでは凍傷の危険がある。そう言うことまで実験してこれ以上シンプルに出来ない方法を言っている。何故こういう事が起きるか考えると、おそらく女性の場合は料理番組で味付けなどを見ていると、「料理の先生は○○と言っているけど、うちはそこに砂糖・味噌・醤油を入れるともっと美味しい。」と我が家の味を出そうとすることに慣れているのではないだろうか。それを食べたご主人も、「こっちの方がうまい。」となれば創意工夫がいいこととすり込まれていると思う。場合によっては逆効果になるので、治療に関しては言われたことをやって戴きたいと思う。工夫しようとした方達、耳の痛い話だが、守って欲しい。

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