膝にテーピングをしたら悪化した話

膝痛の方はよく来るので、テーピングの使用率は高い。先程来た方は時々、膝痛を訴えるので必要に応じてテーピングは使っている。前回、膝にテーピングをしたらいつもなら楽になるのが、痛みが取れず気になって剥がしたら痛みが取れたという。こういう場合はどう考えたら良いのだろうか。まず我々がテーピングを使う目的は2つである。「筋力低下」と「筋肉が硬い」である。「筋力低下」はテーピングをして補強になるから痛みが楽になり、「筋肉が硬い」場合も筋肉としての働きが十分ではないので、補強すれば楽になる。しかし数は少ないが、身体が補強を嫌がるケースがある。膝痛は太腿の(大腿四頭筋)硬さがかなりのかなり支配権を持っている。何かの理由でその太腿に左右差が出来て、弱い側を反対側が補おうとして硬くなり、バランスがとれた状態で我々が補強してしまうと身体か怒る。例えれば、家庭教師に教わって難しい問題を解いている生徒が、実力をつけて、自力で問題が解けかかったところで家庭教師に、「ここは○○やるんだよ。」と言われれば、「僕も気がついていたんだ。言わなくても良かったのに・・・。」となるだろう。出来ない時に教わるのは有り難いが、自力で何とかなっているのに、外から「補強」と称してやられてしまうのはかなわない。自立を妨げているわけである。おそらくそんな事が起きているのだろうと思う。だからそういう患者は真面目に病院に通うと良くならず、来なくなると突然回復する。我々も良かれと思ってやっていることだが、本当の身体の本音はわからない。常に謙虚にしていく中で少しだけ本音を垣間見るだけである。

image_print印刷する