ちょっとした気配りが大事

先日、常連さんが、「トヨタのレクサスは高速道路ではほぼ自動運転が出来るらしい。知り合いが買ったんだけど、トラックなどの大きな車を追い越す時はギリギリで追い越すと少し怖さを感じるので、小さい車よりは少し隙間を空けて追い越すらしい。なんとも憎い心配り。」と教えてくれた。
話を聞きながら、さすがトヨタと思った。
我々の仕事でも股関節や膝関節など、人工関節に代えた場合、時々苦情が来る。
「手術した膝は人工関節なので20才、反対側は75才。何かバランスが変。」
なんでも新しくすれば良いというものではない。
歯でもそうである。
硬い歯を入れた場合、入れた歯だけめちゃくちゃ強い。
他は年齢なり。
やがて技術の開発で、60才のインプラントが出来、他の歯とのバランスが良くなると思う。
膝関節も年齢より少し若いぐらいの関節がいい。
治療の仕事をしていてつくづく思うのは悪い所を治すことだけが大事ではなく、全体の中でのバランスを取ることの方が大事である。
肩と腰が痛い場合、大事なことは両方共に辛さを感じないことである。
どちらかだけ治せば、残された方は必ず文句を言う。
両方から文句が出ないようにすることが大事で、痛みは完全に取らなくてもいい。
痛みが取れるなら取るに越したことはないが、取れない場合などはその痛みをコントロールしながらバランスを取る技術がいる。
ちょっとしたバランスの取り方や気配りで、人は快適に生きられる。

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