頭の働きと人間関係

鬱病の方などによく頭の神経伝達物質アセチルコリンの量を、Bi-Digital O-Ring Testを使い測っている。時々免疫のレベルが低いのに頭だけ回っている方を診るが、そういう方の治療をして体調が良くなると、大抵アセチルコリンは上がる。アセチルコリンは記憶や頭の働きに関わるので、仕事などでは色々な細かいところまで気がつくようになる。しかしこれには少し困った事がある。仕事で頭が回るのは良いことなのだが内容的には「人の気がつかないところに眼がいく」ので、「他人の駄目なところをより強く感じてしまう」ということになる。気がつかなければ仕事にならないし、気がつけば他人をうっとうしく感じる。何とも両立しないものである。これに関しては以前師匠から、「他人に関しては素晴らしいこと以外言うな。自分のことに関してはいかに自分が未熟であるか以外言うな。」と教えて戴いた。本当にこれは真理だと思う。世間は、「自分は優秀だが、あの人はダメでね。」という話ばかりである。色々と他人に関して感じてしまうことは止められないが、口に出すなということである。仕事柄色々なジャンルの社長を診るが、「昨日は俺バカでさぁ、銀座に行こうと思って道を間違えちゃった。ドジだよなぁ。」という話ししか出てこない。「今期も我が社は増収増益で利益が○○億円。これは私が全て指導した。」という話を聞いたことがない。この辺はある程度、訓練は必要だとは思うが、頭の働きは維持しつつ、口を慎む修業が大事である。

 

image_print印刷する