常連さんが、右鼠径の痛みを止めようと思ってロキソニンを飲んだら、激しい胃炎を起こしてしまったという。話を聞いたら、胃粘膜保護剤をほとんど飲まず日に2-3回ロキソニンを飲み続けたと言う。一般的に鎮痛剤は胃を痛める。必ず粘膜保護剤と一緒に飲んでいただきたい。話はそれで終わらず、胃がやられれば当然、スタマックラインに反応は出て左の太ももが硬くなる。右鼠径を支えているのは左脚なので、左脚が堅くなると右鼠径部の痛みは増す。するとますますロキソニンを飲んでしまう。この悪循環を10日間も続けたという。それでどうにもならず来たのだが、こうなると胃の治療しか出来ない。左の太ももに脛、按腹をして、背中をほぐし、ヤダモン君と左小野寺殿点を刺激しておわり。右鼠径部など全く治療できない。この患者には、「胃が収まると右の鼠径部に痛みを感じます。そうしたら喜んでください。」「え、右鼠径部に痛みを感じたら喜ぶ?」「そうです。胃が収まってからでないと、鼠径の治療は出来ません。今回痛い思いをしたので、こりたでしようから、今後は何かやる前に聞いてください。以前から、『考えるな、聞け』と言い続けています。皆さんは鼠径の痛みしか頭にないでしようが、我々はそれを飲んだら何が起こるかを考えます。以前から『胃から崩れる』と言っています。胃が関所みたいなもので、そこを壊されると次から次へと問題が起こり続けるのです。患者が何かやる場合、『胃は大丈夫かなぁ?』とすぐに思ってしまいます。診ている場所が違うのです。そこがわかれば簡単な話なのですが、患者はそこをあまり見ません。それでこういう事が起こるのです。」と解説したら、「大変よくわかりました。こう懲りました。」と言っていた。
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