先日まで夏期休暇をいただいていたが、何人かからは、「休みの間痛くなったら困る。」と言われる。以前、体験したことだが、腰痛持ちの方が週に1-2回治療していた。夏休みで治療ができなくなってどうなるか不安だったが、蓋を開けてみたら大丈夫だったという。よくよく話を聞いてみると、いつでも治療を受けられるという安心感から暴飲暴食は当たり前で、胃炎が慢性化していた。しかし治療が受けられないとなると、途端に胃に優しい生活に変えてしまったという。次の瞬間から腰の痛みが消えたという。それを聞いて、「では当院はつぶれたと思って下さい。もう治療は一切受けられないと思った方が余程いい。」と言った。結局多少悪いことをしても何とかなるという甘えである。昔から、依頼心は本人の能力を引き出さないと言われるが本当にその通りである。仕事柄○○の治療はどうしたら良いのかと聞かれるが、中には長年同じ質問をする方がいる。聞けばいいという依頼心である。治療は本来患者さんのためで、我々はアシストに過ぎない。私は一つの目標は、私がいなくなっても何とか自分で病気の原因や治療法を考え、いい医療を確実に選択できる人を造る事と思っている。患者さんの中にその自覚がある方は、年を追うごとに当たらずとも遠からずで的確な診断と治療法を言ってくる。子育ても似てると思うが、いつまでもあると思うな親と金である。「親は死んだものと思え。」とよく子供には言っていたが、治療にもこの考え方は大事である。
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