以前、踵の話は書いた。こじらせると大変である。今歩行訓練をしている方が、先月まで踵の痛みに悩まされ、ようやく治療効果が出て痛みから解放されたが、また再発したという。脚の筋肉を診ると少し上り坂など頑張って歩いた筋肉痛の後がある。踵が痛いと1ヶ月ぐらいは歩行訓練が出来なくなってしまうので、休みを取り返したい気持ちは分かるが、踵の痛みは甘く見るとやっかいだ。何度も再発する。慢性化すると痛みがゼロにならなくなってしまう。少しでも痛みが再発したら、以前と同じ治療ですぐに良くなるので、無理をしないで欲しい。こんな所にも我慢弱い精神が大事である。1ヶ月も歩行訓練を休んだら、「休んだ分を早く取り返すために多少の痛みは仕方がない。」ではなく、「これはこじらせると将来大変なことになるから、またすぐに治療をして、当分は無理をしないで完治まで様子を見よう。」と言う判断をして欲しい。こういう話をすると、「踵の痛みは一生治らないのですか?」と言われるが、そういうときはこういう返答をしている。「風邪と同じと考えて下さい。風邪を一生引かない身体にしてくれと言われると困るが、引いたらすぐに治してくれといわれれば出来る。」結局、炎症の火種がなくならないので、条件が揃えばすぐに出てくるのである。古傷というのはそういうものだ。
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