少し太めの方が膝痛を訴えて医者に行くと話もろくに聞かないで、「あなたはまず痩せなさい。痩せないと治らない。」と言われ、頑張って痩せても治らないと途端に患者は怒り出す。「こんなに頑張って痩せたのに膝の痛みがなくならないではないか。」仕事柄リハビリをやっているとそういう苦情はよくこちらの耳にも入る。我々から診るともちろん減量は大事だが、それだけで良くなることはない。膝の関節の中の状態、周辺の筋力の状態など膝痛に関わっているのは体重だけではない。だからそういう場合、「体重が落ちれば楽になります。」とは言うが、どうもこの言葉、患者の耳には、「体重を落とせば膝の痛みがなくなる。」と聞こえるようである。だから患者は「体重・体重・体重さえ落ちれば・・・。」となるようだ。しかし減量だけで良くなる患者は少ない。どちらかというと治療をちゃんと受けていれば、体重はそのままでも膝は改善する。こういう話を書くと、「じゃ、減量はやらなくても・・・。」と必ず言われてしまう。痩せた方がいいには決まっているが、それで十分とは言えないと言いたい。これは股関節でも同じ事が言える。関節の中の問題が大きければ体重は少ない人でも痛む。そこの見極めてちゃんと説明しないと「痩せさえすれば・・・。」となるので注意が必要である。
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