常連さんから、「先生は人間ドックは受けているのですか?」と聞かれ、「ええ、区民検診で一番安いのを」と答えた。どうも患者の目には、医療従事者は徹底的に身体を調べているというイメージがあるらしい。私の知り合いの医者でもちゃんと人間ドックを受けている先生は少ない。そうすると、「そんな事で良いのですか?」と言われる。では何故そうなるかというと、例えば胃が悪いとして、普通の患者は医者に行って少し楽になってしまえば、あとは何もしない方は多い。我々は何が原因か調べる。内視鏡をしてまだわからなければCT、MRI、場合によってはペット。膵臓近くまで調べてもらうこともある。この胃の違和感は何が原因で、どうなってしまったのかがわかるまで調べる。納得すればそれで終わり。職業的にこの症状は○○と△△が考えられる。しかしこれだけ調べて何も出ないということは、普通は□□だ。それを調べてまだわからなければ、最後は◇◇しかない。知識がある分、納得しないと気分が悪い。おそらくそこが違う。毎年お金をかけてちゃんと調べている患者からすると、そんな調べ方でいいの?と言われそうだか実際はそんなものである。
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