膝痛で通っている方が最近少し悪化して、反対側の脚や腰まで痛くなったという。我々からすれば反対側の脚や腰はよく症状が出るところなので、「あ、そうですか」で終わりなのだが、患者にしてみると、今までより痛い範囲が拡がって「反対側や腰ですよ!!」となるのであろう。こういう場合は、適切かどうかはわからないがよく貧乏の話に例える。あるお宅の父親が病気で稼ぎがなくなり、いくら母親が働いても追いつかない。子供はろくにご飯も食べられないし、学校の給食費も払えない。そんな時、「うちのお姉ちゃん、昼にパンを買うお金を持っていなかった」と言われても、「そうなんだ」しか言えない。その後で又、「灯油が買えないから家のストーブはつけられず厚着をしている」と言われても、「そうなんだ」となる。その後、「おばあちゃんが具合が悪いが医者にかかれない」と言われても同じことしか言えない。この問題はお金だけで解決する。それと同じように我々から見たら膝痛が出る根っこの問題さえ、解決すればよい。枝葉の症状に一喜一憂はしない。何故か病気の症状を解説するときには、貧乏話が頭に浮かんでしまう。
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