以前、挫折に関して色々と書いた。この年になると若い方の挫折知らずは怖くて見ていられない。順風満帆はあり得ないことで、「人生3つの坂」でも書いたが、「まさか」は世の常である。では今までに体験したことのない挫折はどうやって乗り越えたらいいのだろうか?若い方は、「こんな経験初めて」と必ず言う。楽しいことがあれば喜び、悩みがある時に落ち込むだけでは動物と余り変わらない。では「まさか」が起こった時の考え方であるが、おそらくあなたの状態より酷い方はいくらでも世の中にはいる。酷い方を見れば、「あそこまで私は酷くはない」と思えると思う。そうなれば「良かった、この程度で・・・」となる。次にどうしてこういう問題が起こったか考える。先天的な病気なら悩んでも余り答えはないが、自分が物事を軽く考えたり、過信していたことが原因なら、「今度からは気をつけよう」と反省すれば何とかなる。次にどう乗り越えるかだが、時間が経過すれば解決する問題なのか、何か手を打たなければならないのかによって変わる。しかし本質的には「その方に解決できない問題は起こらない」と思っている。私に「日本経済を何とかして下さい」という依頼は絶対に来ない。しかし知り合いの政治家が身体を壊したので、診てくれという依頼は来る。だから起こっている問題は、「頑張れは乗り越えられ、解決できるレベル」と思っている。まるで神様から課題が与えられ、「お前にこの課題を与えたが、どうやって乗り越えるか、わしは高みの見物じゃ」と言われている気がしてならない。そしてその問題を乗り越えるまでの過程が大事で、何をどう考え、行動して、どんな結果になったかがその方の価値をあげる。神様もご覧になりながら、「よく乗り越えた。少し褒美を授けよう」と言っておられるかはわからないが、誉めてくださると思う。そう考えると問題が起こる度に、「また知恵と気合いで頑張るぞ、そしてまた乗り越えたい」と思えば、気持ちは変わる。艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)という言葉があるが、乗り越える度に凄い人物が出来あがる。問題のないときなど人は成長しない。何度倒れても起きあがれるぞという気持ちが一番大事である。こういう話を書くのは自分でも年を取ったと思うが、ちょっとしたきっかけや人の一言、また乗り越えた自分が描けるかで結果は変わってしまう。
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