長年やっていると中々完治しない腰痛の方は多い。そういう方に、「前回の治療はどうでしたか?」と聞くと、「少し良かった」と言う。こう言われると我々は、「少し良かったということは40%ぐらい痛みが取れたのだろう」と思ってしまうが、患者は、「少し効いただけだから20%程度」ということが多い。かなり効いたと言われた場合も我々は、「85%痛みが取れたのでは」と思ってしまうが、患者は「いやいやぎりぎり60%」となることが殆どである。治療してもらっている手前、「悪いとは言いずらい患者」と「少しでも治療効果があったと思いたい先生」の違いである。こうなると痛みは数値化するしかない。学会などでは、VAS(バス Visual Analogue Scale)と言って痛みを数値で評価する。0から100までで、0は痛くない。100は最高に痛いで判定する。しかし現実問題臨床では、「前回60%痛みが取れたとカルテに書いてあるけど、又痛む?」「もしかしたら前回は40%だったかもしれない。」という場面は良く起こる。VASはあくまで一つの目安であり、最終的には患者さんの笑顔で判定するしかないと思っている。
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