腰痛の常連さんが、「色々仕事のことを考える時、考えすぎると腰が痛くなる。もしかして人間は腰で考えているの?」と言う。満更間違いではないが、正確に言うと腸で考えていると言っていい。この患者はお腹の具合がいつも悪くなかなかそこが改善しないために慢性腰痛になっている。だから腸が良くなれば腰痛はなくなるのだが、腸が良くならない分、考えすぎなどで腸の反射が腰に出る。頭の神経伝達物質セロトニン(幸福物質)は腸で作られ、その数%が脳に行く。だからどうしても深い思考をする時はお腹がかかわる。脳は命令を受けたものを計算するだけである。だから昔から、「腹が決まらない」「腹の虫が治まらない」「断腸の思い」とは言うが「頭が決まらない」とは言わない。何となく心と腹の関係を感じていたわけだ。何か決断する時に大事なのは腸の調子を整えることである。
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