常連さんの中に、「先生、怒らないで下さい。私は褒められて伸びるタイプなんです。」という方がいる。例えば胃が悪い場合、「あなたは胃が悪いね。」と私なら言ってしまうが、そういう言い方をしないで、「ほんの少しだけ胃の調子が悪いみたいだが、これはすぐ良くなるから心配はいらない。こういう経験をしておくと将来安心だから大丈夫。」と言えと言う。普段そういう言い方をしたことがないから、言葉を考えているうちに手が止まってしまう。基本的にこの仕事はいかに駄目を見つけるかである。どうやって褒めようかはあまり考えていない。しかし特に女性の場合は、褒められて伸びるタイプが多いらしい。「物は言いよう」とか「人を見て法を解け」とか昔からいうからなるほどなぁと思う。「どうやって悪い所を見逃さないか。」ではなく、「良い所をさがそう。」では全然視点が違う。 そのことを言われてから患者をそういう目で見ると、今まで違った視点でものが見える。 言って頂いて感謝している。
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