コルセットについて

腰でも膝でもコルセットをするだけで痛みが減る方は多い。患者さんから良く、「コルセットをしたので、今までより長い時間仕事が出来るようになった。」と聞くが、これは考え方が間違っている。例えば何もしないで1時間仕事をして痛みが10なら、コルセットをすれば痛みが7になるとする。患者は必ず仕事時間を延ばし、10の痛みが出るまで仕事をする。本来の目的は、10の痛みがコルセットで7になるのだから、身体を休ませて…

交通事故と体調管理

これは以前聞いた話しだが、ある2つの国で、交通事故の発生件数が10倍違うという。事故件数が多い国は、「信号が青なのだから何も起こらないだろう。この交差点見ないで行っちゃえ。」と言い、少ない国は「青信号でも何が起こるか解らない。気をつけて右左見て走ろう。」と思っているという。その考え方の違いで、事故件数に10倍の差がついてしまっている。これは身体にも当てはまることで、「この程度の事をやっても大丈夫、…

懐石料理について

以前お茶をやっている方から、「懐石料理の懐石って『ふところいし』と書くでしょう。昔おもてなしをするときに、うちには何もありませんが、せめて石を懐に入れて温めておきましたので、これで少し暖を取って下さい。という意味で、懐石と言うのです。」と教えて戴いた。よくお酒を飲む方が、「締めのラーメン」と言うが、私は何を締めているのかが解らずかなりの方に聞いたが、誰も答えてくれない。懐石料理でも締めにご飯が出る…

どうせ悪化するに違いない

以前ブログで、「どうせ痛くなるに違いない」を書いた。また、「いつまでも残る古傷」とも書いた。若い患者さんだと少し腰や肩を痛めて良くなると、「完治した」と思いたいらしい。気持ちは分かるが、身体はスイッチ論なので、ほんの少し無理をしただけで古傷が騒ぐ。そうなると患者は、「又痛くなるとは思わなかった」と必ず言う。当院では殆ど良くなっても「卒業」とは言わずに、「準卒後」としか言わない。それはまたすぐに戻っ…

治療の落とし穴

左肩の痛みが取れない方が紹介で来た。 調べてみると下記の問題が左肩に悪影響を与えていることがわかった。 結局、左肩の痛みはとばっちりを受けて出ているのだが、それぞれに問題がある。 少し解説したい。 1.腕のこり-腕の反応は肩甲骨に出る。腕の辛さは自覚が出ないので、酷くなっていても気がつけない。肩甲骨だけ辛くなる。 2.ヤダモン君-心臓の反応で左肩甲骨に出る。周りの環境の悪さで反応する。ここを1番痛…

何事も実験

以前、歯医者に行ったときに、「あなたは噛み合わせが強く、歯ぎしりするでしょう。マウスピースを作りなさい。」と指導されて、仕事柄、人に勧めてばかりいたが、自分にも必要なのかと思い作って戴いた。初めて装着した翌朝、あまりに首が楽なのに驚き、「これは何かの間違い。たまたまだろう。」とその夜は着けなかった、それから数日経つとやはり朝起きると首が痛い。そこで又マウスピースを着けてみた。見事に翌朝首が楽になっ…

口内炎と胃腸障害

中学から通っている常連さんが社会人になり、最近は口内炎に悩んでいるという。前回来たときに、「そんなに長い期間、治らないのは胃腸に問題がある。胃薬と乳酸菌を増やして様子を見たら。」と話をしたら、その後ピタリと口内炎が出なくなったという。本人は感動して、会社内の朝礼でも、「口内炎の原因は胃腸にあります!!」としゃべったらしい。いかに感動したかが解る。我々からしてみたら、「口内炎、咳、アトピー性皮膚炎、…

腰痛と時間密度

左坐骨神経痛で通っている常連さんが、何もしていないのに急に腰の痛みが悪化したという。自分で風呂で発汗したり、胃腸に気をつけたり、痛み止めを飲んだが全く効果がないという。今日身体を診たら、腸腰筋と座るときに椅子にぶつかる坐骨結節が異常に硬くて痛がる。これは長い時間座り続けると出る症状で、話を聞いたら、「仕事で座っている時間は同じ」と言う。こうなると原因は、「時間は同じかもしれないが、途中休憩がなかっ…

1人ボケツッコミ

よく常連さんの社長が、「この間のゴルフ、食べ過ぎた後にやったからいつもより腰が痛い。お前から何度も、『食べすぎると腹筋が働かず、腰の筋肉が頑張る。そんな時のゴルフは危険』と何度も言われて俺はそんな時にやってはいけないことはわかってはいるが、あの接待は断れなかった。ゴルフも連チャンだったからこんな腰になった。理由は知っているんだ。わかっているんだ。だからちゃんと来た。」と自分で、何処に問題があったか…

画家は何故長寿なのか

以前、画家の方から、「我々の仕事はどういうものだかわかりますか?」と聞かれ、答えられずにいたら、「情念を外に吐き出す」と教えて戴いて、この答えには唸ってしまった。確かに画家は長生きが多い。ちょっと調べてみたら、東山魁夷、横山大観、葛飾北斎、シャガール、ピカソ、ミロ、ミケランジェロ、モネ、ダリ、ドガ、ゴヤ、ルノワールと沢山いる。ではどうしてなのか、少し考えてみた。 好奇心が絶えず、観察力が凄い 右脳…

鎮痛解熱と咳止め

この時期今までならインフルエンザが大はやりだが、ここ2-3年はすっかりコロナに話題をさらわれてしまった。 インフルエンザでもコロナでも呼吸器疾患なので大抵は、「発熱」「喉の痛み」「咳」と出る症状は似ている。 こんな時に「鎮痛解熱」と「咳止め」の薬を飲む方は多いと思うが、よく考えると、本当は病原菌と闘った方がいいのではと思ってしまう。 ウィルスに感染して熱が出るのはウィルスは熱に弱いことを身体がわか…

子供に早く知って欲しい事

ネットを見ていて、見つけました。私はよく若い方や患者さんに、「親はいないものと思え」と言い続けている。親は早く死ぬから、子供が親に頼らず生きることがどれだけ大事かを感じている。特にこれからの子供は、「世界の何処にいても金を稼いでちゃんと1人でも生きている」という生き方が基準になると考えている。 いつまでも親はいない 自分一人で生きてはいけない お金の仕組み 挨拶は大事 笑顔は身を助ける 歯は大切 …

何が何でもその日

おせちを扱っている会社の人が、「2年前はコロナの影響で皆自宅にいたので少し高級おせちが馬鹿売れして困った。去年は予想に反して、正月に外出した人が多く売れなかった。今年は予想がとても難しい。」と言っていた。確かに人の動きと売れ行きは連動するので、予想は大変だろう。そうなると多少利幅は薄くても、早めに予約を取り数を確保したいという心理が企業には働く。こういう物は全員が同じ日に同じ物を求めるから業者の苦…

インフルの季節の診察について

今は新型コロナウィルスが大はやりだが、例年、インフルの季節になると医者が混む。先生方は日に40-50人ぐらいの診察をこなすので、どうしても流れ作業になってしまう。全員が「喉と発熱」と言い、たまたまその中に「喘息」や「肺炎」が入っていても、「あ、あなたもインフル」となりがちである。こういう場合、すこし変わった症状(血痰とか)を言うと医者も、「え、血痰?」となりインフル以外を疑う。我々だと忙しくても日…

所ジョージの名言

以前からテレビを見ていて、所ジョージさんは何て肩のこらない生き方をしているのだろうと感心していた。たまたま関連記事があったので、一部紹介をしたい。 「最近10代の子とか自殺したりするでしょ?そういうのはね、勿体無い。人生はそんな時だけじゃないんだよ。ほんとに。50まではね、面白くないよ。人生は。50から相当面白いよ。10代で悩んでいる方たくさんいるでしょ?20代でも悩んでいる方。30でもまだ悩んで…

左首が痛いと言われて

常連さんが左首の痛みが数ヶ月取れないと言う。こんな時は何を考えたらいいのだろうか?少し列挙してみたい。 筋肉や骨、靱帯の異常-レントゲンを撮り、何も出なければMRI 神経症状は血液などの一般検査では出ないので、専門に神経を調べる 甲状腺の異常-採血と超音波診断 喉の痛みが原因-喉の内視鏡 噛み合わせ異常-歯医者でマウスピース 左の首(鎖骨周辺)は全身からリンパが集まるところ-リンパが腫れる原因を調…

逆流性食道炎は治らないと言われて

常連さんが逆流性食道炎(胃酸が食道に逆流することにより食道に炎症を起こす。食道の粘膜は胃酸に対し弱いため、食道に炎症を起こす。治療法は食べ過ぎなどで胃酸が出すぎないようにするなど胃の治療が大事)と言われて投薬をやっているが効かないという。我々から診たら、薬を変えたり、胃への負担を減らせば、逆流性食道炎は良くなるのに、「逆流性食道炎が治らないということは自分の胃が治らない。」と勘違いしている。胃を治…

失敗が許されないお年寄りの治療

年配の常連さんのご主人が脊柱管狭窄症を患い、少しでも楽になるのに何か良い方法はないかと聞くので、「トレッキングポール-登山の時など使う両杖・脊柱管狭窄症の歩行訓練に有効」を勧めた。今日来たのでご主人の感想を聞いたら、「あの杖を使うと腕にも来るし、肩も辛い。俺はいらない。」と言っているという。こういう場合、もうこのご主人に対してアドバイスをすることが難しくなる。というのも、年寄りの治療は失敗が許され…