「眩暈」「立ちくらみ」「動悸」で耳鼻科受診の話

常連さんのご主人が、「最近、眩暈、立ちくらみ、動悸が起こる。すーっと立った時に良く起こる。動悸は5秒程度なのだが心配で頭のCT・MRI、心臓まで調べたが、何も出ない。」と言う。「それは耳鼻科に行くんです。」「え、耳鼻科?」「はい、立って起こる動悸は首の動脈が硬いか、鼻炎持ちです。おそらく耳にも影響しているのでしょう。急に立って心臓は血液を脳に送らなければならないのに、鼻炎や耳の調子が悪いと、眩暈、…

お人好しで遅れる医療

最近はブログを見て来院される方は多い。今受けている医療に何となく不都合や不満があるのであろう。人によっては、「よくこれだけ我慢されましたね。」と言いたくなる方もいる。そういう方達の特徴はただ一つ、お人好しである。「この先生にお世話になったから・・・。」「もう少し信じてみよう。」「あそこの病院は混んでいるから・・・。」と治療効果が出ていないのに通い続ける。先日、我が家の猫が連日吐いて、グッタリしたの…

当院のブログ活用法

現在ブログの数が1400本ほどで、私自身何を書いたか正確に覚えていない。 具合の悪い方の話しばかりなので、ネタに困ることはないが、かなりの話は重なる。 これだけ長い間、人が暮らしていく中の問題点を書いたので、来た患者さんに対して、「その話はブログに書いてある。」と言えて、内容をプリントして渡したり、メールやLINEに送っている。 先日も常連さんが、「ビオフェルミンがいいと聞き、少し飲みすぎたら便秘…

痩せられない女性の特徴

常連さんが「テレワークで少し身体がなまって、1時間ぐらい散歩をした。久しぶりの散歩だったので、ご飯が美味しかった。」と言う。この話を聞いて、この方は痩せられないと思った。まず1時間程度の散歩で使う消費カロリーは100kcal程度、バナナが大体そのぐらい。1時間の散歩でバナナ1本程度のカロリーしか消費しない。意外と使わないものである。散歩のあとは食事が美味しく感じ、もっと食べてしまうのではないだろう…

コロナ飛沫の飛び方はスパコン富岳の予測動画公開 理研

新型コロナウィルスの感染「第2波」に備えるためのデータの一つとして、理化学研究所(理研)が神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳」を使って計算していた、せきなどで飛び散る飛沫経路予測の一部の結果が、3日明らかになった。通勤電車や小規模オフィス、教室や病室といった閉鎖環境を想定している。 https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/movie/part0…

婦人科のかかり方

最近は乳がんが低年齢化してきて、一昔前なら40才を超えてから検診を受けなさいと行っていたが、最近は30才、場合によっては20代後半から検診を薦めている。そういう場合は年に1度のチェックだが、誤診の確率をゼロに出来ないので、半年ずらして2ヶ所で調べなさいと言っている。A病院で6月ならB病院で12月という具合いに、年に2回、チェックしていれば誤診率は下がる。毎回レントゲンというわけにもいかないので、超…

剥離骨折と肋骨骨折

常連さんが今年の初めに転んで足を痛めたという。話を聞いたら、「転んですぐ足のレントゲンとCTを撮ったが医者が患部を触りもせず、『大丈夫です。』と言われ、そのあと数日してから足の指に痛みが出て、どうもおかしいので先生に、『ここが痛いんです。ここです。』と言ったら、そこを詳しくレントゲンで撮って、剥離骨折がわかったという。それから少しして今度は左胸が痛くなったので、近医に行ったら『CTまで撮っているの…

臓器の強さ

長年仕事をしていると、「臓器の強さ」に関して感じることがある。例えば胃と肝臓でお酒を飲んだ場合、肝臓が強ければ、胃炎を起こすまではお酒を飲める。胃が強ければ肝臓が音を上げるまで飲める。その時胃は何ともない。辛いものを食べる場合でも胆嚢と胃で胆嚢が強ければ胃が辛くなるまで食べられ、胃が強ければ胆嚢が痛みを出すまで食べられる。胃腸でも同じで、胃が強ければ腸の不調(腹痛・便秘・下痢)を起こすまで食べられ…

夜間頻尿

50-60代の男性で時々、夜間頻尿の方が来る。夜間頻尿の原因は心臓病や前立腺肥大症、腎臓病などだが、そこは大丈夫で薬が効かない方達がくる。我々はそういう場合に鍼灸や温熱、健康食品などでいくつか治療法を持っている。まず鍼灸であるが、図の赤い点に鍼を打つ。前立腺肥大症の方などにはとてもよく効く。但し「鍼をやってもらった日はおしっこがスッキリ出て夜中起きなかった。しかし2-3日しか持たない。せめて4-5…

合わないマウスピースと不眠

常連さんが「ちょっと眠れなくて・・・。」と言う。身体を見たら典型的な首のゆがみがある。「マウスピースしていましたよね。」「はい。」「前回調整したのは何時ですか?」「調整?2年前に作ったままです。」「え、作りっぱなし?」「そうです。」「本来マウスピースは半年に1度、保険で作れる。僕は今まで4-5個作って毎月の口腔ケアは欠かしていません。マウスピースは形が変わらなくても歯が動いてしまうので、結局は合わ…

胃薬について

仕事柄、自覚のあるなしに関わらず胃をこわしている方は多い。昔からある漢方薬や市販薬でいくつか特徴があるのでまとめて見たい。 百草丸(ひゃくそうがん)-数年前に噴火した御嶽山のが有名である。御岳百草丸は5種類の生薬からつくられた胃腸薬で、山岳修験者の常備薬として知られたキハダ(オウバク)が主成分で3才から服用可能。 陀羅尼助(だらにすけ)-由来は、強い苦みがあるため、僧侶が陀羅尼を唱えるときにこれを…

治療のステージアップ

細身の女性が坐骨神経痛で通っていて7割ほど楽になったが、そこから改善しないという。この方は初診時から胃腸の治療や按腹、灸などがうまくいったが、生理の時は辛くなると言う。ある程度生理の時は仕方がない部分はあるものの、全く方法はないのかと言われるとそうでもない。まず婦人科で基礎疾患がないか診て頂き、問題なければ漢方薬の適応である。つぎに下半身の血流改善には標準体重に近づく必要がある。こうなると何をどれ…

神経の興奮について

最近通われている患者さんで肩の痛みが1年半も続いている方がいる。 あまりに治らないので医者が肩の関節鏡を2回やったが、原因がわからずその後も痛みは続いていると言う。 注射をしても良くならないので、PT(理学療法士)にまわされたそうだが、痛みが強くリハも出来ないと言う。 まず始めにこういう場合はどう考え、どこから手をつけたらいいのであろうか。 それは「神経の興奮」と考え、「末端から治療」するのである…

不自由と不幸

これは以前、病院勤務時代に脳出血のご婦人を治療していた時の話だが、「私は50代で脳出血を起こし、主人に迷惑をかけ本当に不幸です。」と言う。付き添いで横にいたご主人がそれを聞いて「本当に手間がかかってね。」と笑いながら話されていた。この時の何ともご夫婦の表情が豊かで、幸福なご夫婦だなぁと感じた。仕事柄身体の具合の悪い方ばかり診ている。しかし身体の具合の悪いことと不幸は全く次元が違う。脳卒中の奥様は「…

理想の患者

常連さんの中に1人、理想的な患者がようやく現れた。以前から特に大きな問題があったわけではないが、まず外食を減らしてもらった。LINE@で送ってもらう食生活の殆どが外食かコンビニ食。新型コロナウィルスと絡んで自宅での食事に変えてもらった。玄米なども始めて、そうしたら以前より食欲がなくなり、少量で満足するようになったという。よく噛む事も指導し、お昼の弁当などは自分で作る事もあるという。そのあと体重が落…

生ニンニクと加熱ニンニク

一般的にニンニクは身体に良いとされているが、少し注意をしないといけない。まずは「生ニンニク」であるが、これは胃壁を痛めたり下痢をする。学生時代ラーメン屋さんでたっぷりニンニクをのせた方も多いだろうが、そのあと不思議に腸にきたと感じた方は多かったのではないだろか。減量の目的で一時的に使う事は以前に書いた。一方「加熱ニンニク」は全く成分が変わってしまい、胃壁を痛めたりする事がない。ラーメンに生ニンニク…

中学生・高校生の腰椎分離症

親が当院に通っていて子供が部活などで腰が痛いというとよく連れてくる。レントゲンを撮ると「腰椎分離症」などと言われ、少し不安になるが、我々から見ると安静にしていれば殆ど問題は起こらない。しかし試合が近いとか柔道部で先鋒ぐらいならまだいいが 、大将を勤めるとなると痛みに耐えながら稽古を続けてしまう。そして痛みを抑えるために注射や鍼という事になってしまう。酷い学生になると痛めた腰に硬いしこりが出来てしま…

“Stay Home”の問題点

緊急事態宣言は解除されたが、患者さんの中、特に女性特有の症状が増えている。下記の内容が思い当たる方は要注意である。 植木の植え替え 草むしり 何通も手紙を書く 徹底した掃除と床磨き 鍋磨き カボチャの天ぷらや慣れない料理 繕いものに後片付けや断捨離 これらはすべて腕を酷使する。以前から「腕のこり」に関しては自覚症状が出ず、必ず首肩がおかしくなるので注意喚起をしていた。最近女性で首肩がおかしい方が増…

口内炎と能力発揮

芸術関係の方が作品作りで根を詰め、坐りすぎて腰が痛いという。話を聞いていたら、口内炎が治らず肩まで痛いという。身体を診たら、腰は坐り疲れではなく胃腸の反応が強かったので、脚を診たらスタマックラインが綺麗に出ていた。これは口内炎でちゃんと噛めず飲み込むようにして食べて、胃を壊したのではないかと聞いたら、「そうかもしれない。」と言う。そして腸までやられている。口内炎は今は貼るだけですぐ楽(口内炎パッチ…

この時期こそ、身体の総点検とステージアップへの取り組み

新型コロナウィルスの影響で外食はしなくなるし、会社にも行かなくなる。 時間を持て余している方は多い。 こんな時は人の身体は素になる。 いつもなら過酷な生活やストレス、飲み過ぎで身体に負担がかかるのに、最近は多少の食べすぎぐらいはあるものの患者さんの身体が素になっている。 本来の姿である。 今までなら外敵と戦うために鎧を着けていたのを脱いだ感じ。 中々こういうチャンスはない。 ある常連さんは今までな…