猿がバナナから手を離さない話

常連さんが新しい仕事に取り組みうまくいかず、身体を診ると五里霧中の状態が良くわかる。こういう時は身体の末端が硬くなるから、腕と脛、その状態が続くと首肩や腰までおかしいと言ってくる。硬さから判断して1.5年ぐらい経っているので、かなりなものだと思う。「まだまだトンネルの先に灯りが見えないでしょう?」と言ったら、「う-ん、そうね、見えていない。」と言う。まるで夜間飛行をしていて、暗闇の中飛んでいて、目…

お相撲さんと細身の女性

時々だがプロのスポーツ選手に治療を頼まれる。しかしスポーツ選手と一般の方の身体は全く別で、治療法も根本的に違い、スポーツ選手には必ずその道の専門家が必ずいるのでお断りしている。昔、病院勤務時代は両国が近かったので何度もお相撲さんの治療をした。大体、足首の捻挫か腰痛なので鍼を使ったか、実によく効いた。問題は治りきらないうちにまたすぐ稽古をしてしまうので、完治しないということであった。時々その話を患者…

スロージョギングの勧め

ジョギングをしようと決意する方は多いが、その前に1度「スロージョギング」を試してみてはいかがだろうか。 ジョギングは「キツイ」「続かない」と思っている人がほとんど。 ところが、ラク~に走れちゃうのに、血糖、血圧、尿酸値などの数値を下げ生活習慣病改善効果が絶大!しかも、脳までイキイキさせる不思議な走り方があったのです。 そのコツは「ある筋肉」を使わないこと!実は筋肉は瞬発力がある「速筋」と持久力があ…

風邪とコンタック

以前、病院勤務時代に職員始め皆でコンタックを飲み、なぜよく効くのかの話は書いた。結局、消炎剤の量が多かっただけなのだが、このコンタック、時々すぐれた効果を出す。以前、頭痛の患者さんが頭痛外来の専門的な薬よりはるかにコンタックがよく効くと言う。歯痛の場合も正露丸やコンタックはよく効き、応急的には使える。風邪の時によく医者に行って抗生剤をもらう患者がいるが、これはタイミングがある。感染で菌にやられたと…

敢えてお灸をしない話

常連さんがマラソンに出て、少しアップダウンがきついコースだったせいか走った後、右のお尻が痛むという。場所は典型的な坐骨神経の通り道なので、「定番ですね。」と解説した。しかしこの方は以前から逆の左坐骨神経痛(原因は過食)で通われていた方なので、気になって身体を診たら、左の太腿の前後しか硬くなっていない。痛がる右足は何ともない。これは「左脚への負担が限界を超え、反対の右側にまで溢れていって起こった神経…

足を引っ張る足か、助ける足か

花屋さんが冷え性で困っている。仕事柄、売り場の温度を上げるわけにもいかず、床は当然コンクリートなので冷えが上がる。 朝晩は風呂で発汗をしているのだが、忙しい日中は中々、冷え性に対して手を打てない。 以前から紹介しているパナソニックのスチームフットスパも、買ったものの使っていない。 そこで身体の特徴を一つお話した。 「仕事柄、足が冷えるのは仕方がないとして、折角朝晩の発汗が習慣化したのですから、昼の…

そんなに使っていない左手の痛み

常連さんが、「左の肩が辛い。何もしていないのに、五十肩かしら。」と言う。調べてみたら、五十肩ではなく、左指の軽い腱鞘炎が原因だった。「いつもより左手を使ったでしょう?」と言ったら、「少し慣れないことはやったが、そんなには使っていない。右は利き手だから使うけど、左にはそんなに負担をかけていない。」と言う。詳しく腕から指を調べてみると、中指の伸筋の周辺に明確な炎症がある。「この中指の炎症は普段やり慣れ…

テアニンについて

聞き慣れない言葉だが、常連さんが教えてくれた。テアニンとは緑茶専用の成分で玉露などから抽出された希少アミノ酸だそうです。効果は脳波のα波を増加させ、自律神経調整、リラックスや睡眠効果があるという事です。薬ではないので鬱病の治療にも応用されていると言う事だそうです。こういうことを調べるといつも思い出すことがある。それは「香道」「アロマテラピー」である。リラックス効果に匂いが大きく関わっていて、メンタ…

消えた右腕のこり

職業的に右腕ばかり使う常連さんが今日は今までで1番良い。仕事が暇になったか、誰か雇ったか、何か工夫したか聞いたら、何も変化はないという。前回の治療が2ヶ月前だから、「ここ2ヶ月で何かやったと思いますが・・・。」「う~ん、手に薬を塗ったぐらいかなぁ。」「何の薬ですか?」「鎮痛薬」「それですね。バッチリ効いています。左手は今までのままですから塗っていませんね。」「塗っていません。」「右腕は今まで通り使…

会長のご接待での苦労

仕事柄、ある業界の会長を治療することがある。その会長からよく、「今月は全国の支店周りなんだけど、一周すると体重が4-5kg増えてまた腰が痛くなる。今のうちに少しでも楽にしておきたい。」という話しが出る。地方に行けば必ず接待される。支店長や関係者が出てきて、飛行場や駅までお迎え、そのまま昼なら軽くそば程度だが、夜になると、「会長のために特別に○○を用意しました。是非味わって下さい。」と言われ、残すわ…

がんは貼って治す時代-抗がんメッシュについて

すこし難しい内容だが、がんは熱に弱いことがわかっている。熱と抗がん剤を同時にする事は今までなかなかできなかったが、「抗がんメッシュ」と言って「温熱」「抗がん剤」を同時に治療できる。今後はこういう素材開発や今まで同時に出来なかったことを研究して治療効果が上がるに違いない。 NIMS 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 生体機能材料ユニットの荏原充宏MANA 研究者らは、癌の温熱療法 (ハイパーサーミ…

未来医療

現代社会、ネットの発達と共に医療も変化しつつある。 当院で一番感じるのはLINE@を入れてから、患者さんの小さな変化を送ってもらうようにしてから、病状が手に取るようにわかる。 今まで減量の方なら、1-2週間に1度何を食べたかの写真を見て良いとか悪いとか言っていたが、LINE@だと食べる瞬間に情報が来る。 鬱病の方なら薬を飲んだ後すぐ何を感じたかが来る。 胃腸炎の方なら何を食べておかしくなったかが、…

胃カメラと美人投票

仕事柄、胃炎の方はよく診る。お腹を触って硬いと、「胃が悪いですね。」と言うと、「先日の胃カメラでは何も言われていません。正常で問題ありませんと言われました。」と言う。確かにそうなのだが、我々が知りたいのは胃を空っぽにして内壁に何もない(がん、ポリープ、潰瘍など)状態は良いのだが、「機能」である。食べ物を入れたときにちゃんと消化してくれるかどうかである。その胃の機能が一番大事である。多少炎症やポリー…

わざと身体に傷を作る

仕事柄経営者の方は多い。仕事は重なるもので、休み返上でこなしている方も多い。そんな時、プライベートでも忙しくなると身体はパニックになってしまう。仕事に宴会、プライベートにイベント、出張では身体が持たない。そんな時にお薦めなのが、「わざと身体に傷を作る」事である。経営者の方は殆どが、肉体労働というより頭脳労働・精神労働・心労なので身体を使っていない。そんな時マラソンでも自転車でもテニスでも何でも良い…

声のでかい奴が仕切る

これは以前、老夫婦の患者さんが、「ゴールドコーストに別荘があるから、遊びに来なさい。飛行機代だけで良いのだから・・・。」とお誘い頂き、お邪魔したときに、地元のホテルのコックさんが来ていた。色々と話をしていたらコックさんが、「今いるホテルは9つの国の人間がいる。言語はバラバラ、そんな環境で仕事をまとめなければならない。どういう人がまとめると思いますか?」という話になり、「それは英語が出来る人でしょう…

イライラしたときは食べない方がいい

今日来た方は仕事のストレスでイライラが治らないという。ストレスで交感神経優位の時は体の末端の脛や腕が硬くなってしまう。それ以外には胃腸機能を止めてしまう。ライオンが獲物を狙うときに空腹が気になってはいたのでは、獲物を逃してしまう。だから緊張しているときは胃腸が働かない。それは食べてはいけないと言うことを意味する。しかし人によっては食べてストレスを解消したい人もいる。そんな時、食べてしまうと途端に胃…

瞬発力と考え方

今日紹介できた方は見るからに筋肉質で、ボディビルでもやっていたのではと思う方だった。瞬発力が抜群で、学生時代何をやっていたのか聞いたら、「少林寺、空手、キックボクシング」と言う。「マラソンは出来なかったでしょう。」と聞いたら、「苦手。」と言う。この瞬発力、元気なのはいいのだが、どうしても「我慢強い」「弱音を吐かない」など、当院の「我慢弱い人間を作る」「病気は仰山にしろ」とは逆の生き方である。瞬発力…

幸せな人生を送る秘訣

「ハーバード成人発達研究」は75年以上にわたり、2つのグループにおける心と体の健康を追跡してきました。対象となったグループは、1939~2014年にボストンで育った貧しい男性456人(グラント研究)と、1939~1944年にハーバード大学を卒業した男性268人(グリュック研究)です。期間がこれだけの長さに及ぶと、調査に取り組む研究者も一世代ではまかないきれません。第二次世界大戦以前から、研究チーム…

薬害と身体のバランス

前回薬害を指摘した方が医者に相談したら、「では3つ減らしてみましょう。」と言われ、減薬した途端、胃が楽になり胃薬を飲み忘れるようになったという。本人は、「こんなにすぐに楽になるのですね。」とビックリしていた。気になって身体を調べたら典型的な胃炎のスタマックラインで左脚が硬い。左の背中を診たら甘い物取りすぎもあり、両方で左腰から脚にかけて負担がかかっている。これではバランスが悪いので、「脚がフラフラ…

常連さんの治療のかかり方

常連さんの治療のかかり方には少し特徴がある。今日来た方もすこし仕事で方向転換をしたものだから身体が辛くなり、前回の治療が全く効かなかった。「少し連続でやってみたらどうですか?」と言ったら、「では明後日お願いします。」ということになり、今日治療したら見事にほぐれてしまった。たった2日3日のことなのだが、前回の治療が料理で言えば下ごしらえで、今回が仕上げみたいな感じである。常連さんだから「では明後日」…