症例

革靴の中に鼻緒?

常連さんに竹踏みと足のアーチの話で草履の話をしていたら、「私の革靴の中に鼻緒があります。」と言う。そんな物は見たことがないので見せてもらったら、中敷きに鼻緒がつけられていた。「楽闊歩」というお店で作ったという。店主が靴職人で偶然そのお店を知ってから、何年も使っていて他の靴は履けないという。世の中にはこうなったらいいなぁと思うことはよくあるが、現実に商品を見せられるとビックリしてしまう。

お薦め商品一覧②

前回、当院のお薦め商品一覧を書いたが、第2弾を紹介したい。 【直貼】寒い季節になるとホカロンが欲しくなる。鼻水が出た時など首の後ろに貼ると気持ちが良い。しかし貼るホカロンの場合、温度が60℃ぐらいになり肌着が薄い時など低温火傷を起こす。酷いケースになると皮膚がむけてしまい皮膚移植が必要になる。厚手の洋服の上からでは中々暖まらないし、温度調整が難しい。温度を上がらないようにして皮膚に貼れればと思って…

頸椎ヘルニアとゴールデンタイム

数年前から頸椎ヘルニアの方が手のシビレで通っている。中々これといって決定打の治療法がなく、仕事が肉体労働なので、その時の主訴をメインに治療している。先日仕事を変え、肉体労働から解放されたら、今までの筋肉痛が嘘のようにない。手のシビレも楽だという。そして仕事の終了時間も早いので、十分睡眠が取れて快調だという。これはチャンスと思い3-6ヶ月ぐらい、このまま今の状態を維持したらどうかと提案した。少し仕事…

副交感神経のスイッチについて

仕事柄、交感神経優位の方ばかり診る。常に戦闘モードでスイッチがオフになっていない。これでは疲れるだろうと思いながら治療している。以前、自分自身の副交感神経のスイッチはどう入れたらいいのか実験したことがある。仕事が終わってまず何を身体が求めるか。まずは美味しい物を食べたい。次にマッサージにかかりたい。次にいい映画が観たい。いい音楽が聴きたい。いい香りを嗅ぎたい。柔らかなものに触れたい。結局五感を満足…

選ぶことが苦痛

30代の新米ママが治療中、コンタクトが痛くて目を擦っている。人は段々年をとるとそんなにはっきり見えなくても不自由がないので、コンタクトで痛がるのは若いうちだけだという話をした。私自身眼は悪いが、車の運転以外はメガネをかけない。書類を読むときに不自由はないし、映画なども何となく分かればいい。白衣のまま外に出て、患者さんから声をかけられることが時々あるが、近づかないとどなただかわからない。デパートに行…

病名がつく安心感

小さい子が歩けなくて通っている。 病状は小児麻痺なのだが、正確な病名がつかないという。 親としては不安で、リハビリをしながら今後どういう治療を続けていくべきか相談にのって欲しいという。 現代医学は先ずはじめに病名をつける。 その病名に基づき治療法が決まる。 病名が決定しないということは、治療方針が決まらないことを意味する。 特に精神的な疾患の場合、病名というのは大きな意味を持つ。 例えば統合失調症…

足の指の痛み

最近はマラソンやトライアスロンをする方が増えていて、よく聞く症状に足の指の痛みがある。足の第1と2趾の間の骨の付け根に痛みが出る。この痛みは定番で軽い方なら鍼を刺すだけで鎮痛する、それでだめな方はお灸が効く。足のアーチが弱いとこの症状が出るので、中敷き、足底板、鼻緒の草履などは有効である。それでもだめならテーピングを使う。それでも走ると痛みが出る方にはアイシングを使う。患部に慢性炎症があると、外反…

膝痛と左右の太腿

仕事柄、膝痛の方はよく来る。左膝が痛い場合、初めのうちは左太腿前面をほぐせばいいが、時間が経つと右の太腿までおかしくなってくる。今まで何度も「身体の中の父ちゃん母ちゃん」の話はしている通りで反対側までチェックしないとなかなか治癒までいかない。膝痛の支配権を大腿四頭筋(太腿の前面)が持っているのて太腿の治療をしない限り、膝は良くならない。交通事故や余程の激しい運動などがない限り、膝の靱帯や半月板を痛…

歯とIHクッキングヒーター

60代の女性が最近眩暈(めまい)がして、血圧が上がったり下がったり、心臓も苦しいという。段々やる気もなくなり外にも出たくないという。耳の病気なのか、循環器なのか、鬱病なのか病院で調べてもらったら、全くどこにも異常がないという。たまたま歯の治療をしていたので、歯医者で診察を受けたら、噛み合わせと感染があるという。まず歯を診てもらいそのあと生活に変化はないかと聞いたら、2年前にIHクッキングヒーターを…

看病について

最近はがんで入院していると聞いても驚かなくなった。 家族の誰かが入院していれば、当然看病という話になるだろうが少し我々の目に映る話をしたい。 病院勤務時代に病棟回りをしていて、患者さんではなく看病している方がヘトヘトになっている光景をよく見た。 患者さんは栄養状態から全て管理されて寝ているだけなので、血色のいい方は結構いる。 しかし家族となると長時間の慣れない看病と落ち着かない病室で中々気が休まら…

神経麻痺の治療

脊髄炎をやった方がリハビリで通っている。片足の温度感覚と痛みが全くないという。病院でステロイドをやり、その後リハビリだが、中々効果を感じないので何かないかという。脊髄炎で神経麻痺を起こすと神経の回復には年の単位かかる。去年と比べてどうかという判断をする。中々数ヶ月で結果は出ない。今まで感じていたものを感じないのだから、元に戻すと考えているだろうが、我々から見ると新しく神経を作るためにリハをすると考…

子宮と性格

子宮筋腫の全摘手術などをした方にはある特徴的な心の変化が現れる。「女性は子宮で考える。」というが、子宮が心の砦になっている部分があるのではないだろうか。そこを取ってしまうと、少し性格がぶっきらぼうや荒くなったりする事がある。女性はあまり手術後に意識していないように思うが、回りが敏感に感じる。1番よく聞く話がご主人からである。「手術後、女房が変わった。昔のお前に戻れと言っている。」と言う。この心の変…

顎の打撲と寝相

小さい子が転んで顎をぶつけたという。母親が心配して、「顔がどんどん腫れてどうしよう。」と言う。こういう場合我々が気にするのは下記の3点である。 1.顎関節がやられていないか。 2.脳への影響はないか 3.顔面神経麻痺を起こさないか である。まず転んで下顎の骨に負担がかかると顎関節を痛めやすい。顔の腫れが引いても口を開ける時に痛がったり、噛めなかったりが何時までも残っていると顎関節症を疑う。次に脳へ…

日舞と半月板

仕事柄日舞をやっている方はよく来る。膝を痛めたとか、腰が痛いとか言うことは殆ど同じである。時々本番が近づいて稽古を普段よりこなして、膝にピキッという痛みを感じる方がいる。これは半月板に負担がかかっていることが多い。半月板は一度痛めると血行が悪いところなので、中々自然に良くなることは少ない。特に日舞は膝に荷重をかけた後、少し捻る、これが半月板に悪い。階段の上り下りで膝が痛くなくても、荷重と捻りで痛み…

親の没年齢

昔父親がよく、「もう少しで親父の死んだ年だ。越えられる方なぁ?」と言っていた。次にその年を越えると、「親父の死んだ年を越えられた。」、「もう少しで5年になる。」とか言っていた。どうもこの感覚は男性特有みたいだ。患者さんを治療していて、女性からこの言葉を聞いたことがない。息子が父親にたいしての対抗意識なのか、競争意識なのかわからないが、無意識下で親の没年齢を気にしている。私も60才が近づき、すこしだ…

外国育ち

トライアスロンをやっている方が、仲間にすごい人がいるという。外国育ちで血は純粋日本人なのだが、体格や体力は外人そのものだという。血が日本人なのだから、外国で育っても日本人の形質が出るはずなのに、彼女は全然違うという。実はこの話はよく聞く。私は遺伝子の情報より、その後の環境因子の方が強いと思っている。例えば食べ物一つとっても、外国のその土地の野菜などを当然食べている。成長期にその土地の土壌菌で作った…

EAT(Bスポット療法)について

長年仕事をしていると、どうしても治療がうまくいかない方ばかりになってしまう。 解剖を勉強しなおしたり、セミナーで新しい治療法を学んだり、新刊を読んだりしているが、そんな中ひとつ気になっている治療法がある。 「EAT(Bスポット療法)」である。 鼻の奥に上咽頭(じょういんとう)という部分があり、ここは呼吸をする時に一番始めに空気が体内に入ってくるところで、外部からホコリやばい菌の影響を受けやすくたび…

年によって変わるがん対策

私の師匠が消化器の医者で患者ががんばかりである。最近はテレビでもがんの話題が多いが、少し年齢によって対策が違うと思う。40代など若い方達は殆どが過酷な生活をしてがんを患うケースが多い。そうなると当然、今までの生活をスローライフに変えなさいと指導する。しかし80才を超えてからのがんはある程度生理的なものである。がんは加齢と共に増える。今までがんがなかったということは、それまでの生活に問題がなく、がん…

過食と鬱病

以前から、「二十歳の時の体重と比べて10kg以上太ると殆どの方が坐骨神経痛が出る。」と言っているが、太ることにより鬱病もふえる。当院では12年ほど前から鬱病患者が急増して、こちらも必死に勉強して今ではなんとか治療出来るようになったが、治療を始めると治る方と治らない方は真っ二つに分かれる。治らない方達の全身をBi-Digital O-Ring Testを使って調べると、例外なく胃腸障害がある。胃腸を…