棘から包丁へ
以前から、「病気というのは身体に棘が刺さったようなもので我々には棘が見える」という話はしている。 しかし中々この話の真意が伝わらないので、最近は「棘を包丁」に変えてしゃべっている。 「あなたの膝の痛みは太腿に包丁が刺さっているようなものです。僕らは治療家ですから包丁が見えますが、皆さんには見えません。包丁が刺さっているのに、『薬を色々と替えたけど痛みが取れない』とか、『塗り薬も効かない』『膝を温め…
以前から、「病気というのは身体に棘が刺さったようなもので我々には棘が見える」という話はしている。 しかし中々この話の真意が伝わらないので、最近は「棘を包丁」に変えてしゃべっている。 「あなたの膝の痛みは太腿に包丁が刺さっているようなものです。僕らは治療家ですから包丁が見えますが、皆さんには見えません。包丁が刺さっているのに、『薬を色々と替えたけど痛みが取れない』とか、『塗り薬も効かない』『膝を温め…
最近の患者さんは脛が硬い。 脛は以前から硬くなる理由が、「冷え」「歩きすぎ」「胃腸障害」「ストレス」と言っているが、殆どの方は、「冷え」である。 これだけ寝苦しい夜が続くと一日中エアコンを使わざるをえない。 寝る時に短パンなどの薄着でエアコンの風が皮膚に直に当たれば、気化熱で思いのほか身体は冷たくなってしまう。 冷えた身体をリセットするには、「発汗」しかないが、今の時期、シャワーだけという方は多い…
慢性腰痛で通っている人が突然股関節が痛くなったという。色々と関節を動かしてみたが全く痛がらず、関節の中というよりは周辺の筋肉が硬い。もちろんレントゲンやMRIで調べなければならないが、慢性腰痛をほったらかしにして、周辺の筋肉(お尻周辺)まで硬くなったことが原因のようにのように思えてきた。この方は以前から逆流性食道炎があり、ぎっくり腰の時は来るが辛くならなければ来ない。「胃をちゃんと治さなければ腰は…
以前、挫折に関して色々と書いた。この年になると若い方の挫折知らずは怖くて見ていられない。順風満帆はあり得ないことで、「人生3つの坂」でも書いたが、「まさか」は世の常である。では今までに体験したことのない挫折はどうやって乗り越えたらいいのだろうか?若い方は、「こんな経験初めて」と必ず言う。楽しいことがあれば喜び、悩みがある時に落ち込むだけでは動物と余り変わらない。では「まさか」が起こった時の考え方で…
長年仕事をしていると、「あそこのリハの先生は医者で治せなかった肩の痛みを治した」「腰の専門家でも治せなかったのをあの先生は手術で完治させた」という類いの話はよく聞く。これは皆さんが病気を一つのもの、カテゴリーで考えているからこういう話になってしまう。まず関節の痛みなら痛みの原因が「関節の中にある」か「関節の外にある」で変わってしまう。一般的に整形外科なら、「関節の中が酷くなっているから痛みは強い」…
仕事柄、「今の病気の話、主人にも言ってください」と言われる事がある。昔は「はい、わかりました」と言って伝えていたが、ある時からその家族の問題に巻き込まれ、懲りてしまった。間に入るのは夫婦だけではない。親子、兄弟、姉妹、学校の先生と生徒、社長と秘書、様々である。「先生から言ってもらった方が相手もちゃんと聞きます」と必ず言われる。しかし実際はどうも自分に都合のいい話だけを、私に言ってもらいたいだけだと…
中学生時代から時々来ていた子が社会人になり、外資系の金融会社に就職した。しかし最近全く頭が働かなくなり、心療内科など何処で診てもらおうか悩んだ結果、母が通い慣れているところにまずは行ってみようということになり久しぶりに来た。昔から外交官になりたいという夢を持ち、抜群の記憶力で国立の有名大学を出ている。話を聞くと自分でも不思議なぐらい、頭が働かないという。話だけ聞いていると鬱病患者なので、頭の状態を…
最近、母が高齢で入退院を繰り返している。 慣れない介護で色々と専門職の方から話を聞いたり、知らないことを調べていくうちにいくつか面白い川柳を見つけた。披露したい。 ・いつ死ぬか分かれば貯金使うのに ・生きがいは何かと聞かれ「生きること」 ・ルンバさえ越えてる段に足とられ ・付いて来い言った家内に付いて行く ・通帳に暗証番号書いている ・寝てるのに起こされて飲む睡眠薬 ・ペットロス主人の時より号泣し…
常連さんのご主人が数ヶ月前に膝痛を訴えてきた。膝は以前から熱があると治らないと言っているが、典型的にそのパターンで数回の治療で改善した。「後は季節の治療で3ヶ月ぐらいしたら来て下さい。」と伝え、昨日診たら、まだ膝に熱がある。「膝に負担をかけましたか?」と聞いたら、「全くかけていない。」と言う。これはおかしいので、少し話を聞いたら、「すこし最近下痢気味です。出血したのて調べたら痔でした。念のため大腸…
常連さんが最近少し仕事がきつく全身にこりがあったが、今日は全くない。「今日は筋肉の状態が実に良い。まるで仕事をしていない時みたい。」と言ったら、「少し加減している。そうですか。筋肉は硬くないですか。では頭に鍼を打ってください。」と言ったので少し驚いてしまった。この頭の鍼だが打つと、「オキシトシン」が出る事はわかっている。オキシトシンは「愛情ホルモン」と言われ、人や動物に対しての愛情が高まり、親密な…
常連さんが風呂に入ると足がじりじりすると言う。温度を聞いたら、39-41℃程度でそんな問題はなさそうである。以前から、「風呂で下半身浴で発汗」の話は書いているので実行していた。左右差はあるか?風呂から出た後までじりじりは続くかなど色々と質問したが、全く問題はない。ではこういう場合はどう考えたらいいのだろうか。それは風呂に入ったぐらいでじりじりしない方が快適に暮らせるが、余程血管に問題(足の血管が詰…
腰痛で通っている女性の常連さんが、職場のエアコンがきつく、治療してもすぐ腰がつらくなると言う。勿論、カーディガンやレッグウォーマーなど当然やっているが、足らないという。こうなると何か保温だけではなく、加熱も考えないといけない。机の下にバケツにお湯を入れておくわけにもいかず、温度管理はビル全体でしているので、室温をあげてほしいと言っても通らない。以前ある会社で窓際の一番暑い所に暑がりの部長がいて、エ…
先日、私が脊柱管狭窄症を患い、足のシビレがあることは書いた。 お陰様で色々な治療を実験的に受けてほぼ80%は治った。 しかし右足のシビレが今一つ楽にならない。 この程度治ればもういいやという気持ちと、完治まで何とかしたいという気持ちが心の中で闘っている。 そんな時に自分で悪い側の股関節を動かしていたら、何となく違和感を感じる。 「もしかしたら、股関節と脊柱管狭窄症は密接だから、ここから何か突破口が…
以前師匠から、「親の思った通りに子供は育たない。子供の思った通りの親になればいい。」と教わった。この教えは我々の仕事にも当てはまる。腰痛の患者が中々良くならない場合、患者は内心「ちょっとよそでも診てもらうか。」となる。そんな時、担当の先生から、「そんなの何処で診てもらっても同じ。行くだけ無駄。」と言われれば患者はしょげて黙ってしまう。しかし先生から、「それは良いことですね。ぜひ、その先生がなんて言…
肘痛で通っている常連さんが、うちで良くならず色々と医者を紹介したが、中々完治までいっていない。今通っている病院でも新しい治療法を検討中だが、高額なこともあり少し躊躇している。本人は、「治れば安いものだけど、治らないとなると他のことにお金を使いたくて・・・」と言う。話を聞いたら、新たに勉強したいことがあってそちらにお金を使うか悩んでいるという。「それはまず自分がワクワクする方にお金を使った方がいいで…
アキレス腱を切った常連さんが、さして走っていないのに、内果(内くるぶし)の痛みが取れないという。調べてみると、ふくらはぎが硬い。こういう硬さはすぐには取れないので、自宅で出来るレッグリフレを勧めた。さぞかしこれでくるぶしの痛みは減ったと思ったが、今日来て全然よくなっていないと言う。こうなると下半身、全て調べないと原因はわからない。まず大腿四頭筋(ふともも)、さして階段を駆け上がったり、自転車を必死…
股関節を手術した人が、友だちに寿司をご馳走になったら、翌朝とても腸の調子が良かったという。どんな寿司なのか聞いたら、本来の江戸前で、ネタを発酵・熟成して出すらしい。江戸時代は冷蔵庫などないから、寿司には優れた抗菌の知恵がある。「酢飯」「わさび」「ガリ」「お茶」「漬け」は全て抗菌である。特にネタを発酵させて日持ちさせる技術があるそうだが、肉でも最近は「熟成肉」と言って、高級素材として有名である。熟成…
以前少し高級なワインが安く買えたので、「弟みたいな友人」「勉強仲間」「恩師」にそれぞれ送ったら、反応が全く違った。「弟みたいな友人」は「有り難う」で終わり、「勉強仲間」は「これ、高いんじゃない。今度何か良いとこがあったら飲もう。それまで取っておく。ありがとう。 」「恩師」は「このワインはフランスの○○でまた飲むには若い。10年寝かせてから飲むととても美味しい。それまで取っておく。10年後の楽しみが…
仕事が極端に忙しくなると時々熱を出す方がいる。本人は、「こんな時、熱を出している場合ではない。」と思っているだろうが、我々から診ると、「発熱して本当に良かった」と言いたくなってしまう。まず発熱は感染などで身体に侵入した細菌やウィルスなど(両方とも熱に弱い)をやっつけるために身体が自ら熱を作り出す。熱を出せるという事は体力がある証拠で悪い事ではない。最近は何でもすぐに解熱剤の話になってしまうが、余程…
膝痛の常連さんが、「通ってもすぐまた痛くなる」とぼやく。気持ちは分かるが、しかしよく考えると膝痛で良かったと思ってしまう。例えば「食べられないのと膝痛はどちらがいいですか?」と聞かれれば、殆どの方は「膝痛」と言うだろう。「お通じがないのと膝痛は?」と聞けば、やはり「膝痛」と言うだろう。「頭痛と膝痛は?」と聞けばおそらく、「膝痛」であろう。確かに膝は痛いかもしれないが、胃腸がちゃんと動き、ご飯も美味…