治療法はあっても痛みが取れない
ある常連さんが肩を痛がっている。肩の専門病院を紹介したが、超音波で診てそんなに大きな問題はないだろうと言われ、注射を打ってもらったが全く効かなかったと言う。 患者の話を詳しく聞くと、これはもしかしたら肩関節の中の情報がないとダメかもしれないと、MRIを撮りなさいと伝え調べたら、「関節唇損傷」だった。 場合によっては手術が必要な事もあるという話になった。 関節唇は聞き慣れないだろうが、関節のまわりに…
ある常連さんが肩を痛がっている。肩の専門病院を紹介したが、超音波で診てそんなに大きな問題はないだろうと言われ、注射を打ってもらったが全く効かなかったと言う。 患者の話を詳しく聞くと、これはもしかしたら肩関節の中の情報がないとダメかもしれないと、MRIを撮りなさいと伝え調べたら、「関節唇損傷」だった。 場合によっては手術が必要な事もあるという話になった。 関節唇は聞き慣れないだろうが、関節のまわりに…
以前ボイトレの先生から、「発声は身体全体が楽器になる。正しい身体の使い方をしないといい声は出ない。そのために詳しく解剖を勉強しないと指導できない。」と教えて戴き、その先生の本を見たらほとんど我々が使う解剖書と遜色がなかった。歌い手さんは身体の使い方の本はあるが、では料理人はどうであろうか?詳しくは知らないがあまり見かけたことはない。当院の常連さんに飲食の方が何人かいて、皆訴えてくる内容が同じである…
色々な方の身体を診ていると、「仕事で毒を飲んでいる人が多い」と感じてしまう。若い頃は仕事を覚えるまでに苦労するから仕方がない部分はあるとは思うが、ある程度ベテランになっても毒を飲み続けている方もいる。私も病院勤務時代に月に一度ぐらいは朝全く起きられず、時々休んでいたが最近は全くそういうことがない。少し偉そうに言うと仕事が道楽か趣味になってしまった。これは突然なった訳ではなく、難しい患者をこなしなが…
少し難しい腰痛で通っている患者さんが、少し無理をして違う場所の痛みを訴えてきた。新しい痛みの治療はそんなに難しくはないのだが、治療しながら少し考えてしまった。新しい痛みを訴えている時は今までの痛みは訴えない。身体は癖のものだから、新しい痛みが続けば今までの痛みは少し鎮まるのではないかと思った。中々患者には、「新しい痛みを長引かせますから・・・」とは言いにくいが、試す価値はある。以前、酷い頭痛の方が…
私は高校生ぐらいからメガネをかけるようになり、車の運転では「眼鏡等」になっている。数年前に眼科へいったら、「視力に左右差があり、新しいメガネを作りなさい」と指導され、出来たメガネでパソコン仕事をしたら2時間もしないうちに頭が痛くなった。こんなに綺麗に見えなくてもいいのにと思い、メガネを外したら4時間ぐらいやっても頭が痛くならない。試しに昔に作った少しピントが甘いメガネにしたら、何時間でもつけていら…
常連さんの腰痛があまり良くならない。新しいスタッフの具合が悪かったり、最後まできちんと仕事をこなさないと気が済まない性格で、本人は真面目でちゃんと仕事をしているのに、腰が治らず困っている。この方には、「あなたはちゃんとやっているのに腰が治らず被害者だと思っていると思いますが、実はあなたは加害者なのです。」と言ったら、「え、私が加害者?」と不思議な顔をしていた。理由は簡単で、以前から身体の中の2人と…
長年仕事をしていて、腰痛治療のポイントは「足をほぐす」「肩や背中を緩める」「お腹の治療」「頭をいじる」「精神面」と言ってきた。 「患部が問題ならそこをいじれば良いが、長患いの腰痛は患部を触らない」という話である。 最近数多くセミナーを聞いていると、こちらは長年の経験だけで掴んだことが効くには明確な理由が解剖学的にあり、そのかなりの部分が解明されてきた。 当院では腰が痛い時に按腹と言ってお腹をよく触…
若いけど常連さんで身体のメンテをきちんとしている人がいる。その人が、39度の熱が2日間出てそのあとすっと下がったという。発熱している時も咳は軽くしか出ず、喉も痛くなかったという。この話を聞きながら、「身体が次にジャンプするために準備してくれたなぁ」と感じた。どういうことかというと、人は熱が出れば、「運が悪いなぁ。こんな時に発熱して。」と言うのでないだろうか。しかし本当に運が悪いのだろうか?もしかし…
以前常連さんの娘さんが結婚をすることになったが、お父様を亡くされていたので、バージンロードばどうしたものかという話をしていた。話を聞きながら、娘さんのそのお爺ちゃんもうちに通っていたので、「あのお爺ちゃんに頼んだら?」とアドバイスしたら、「先生、よくそんな事思いつくわね。」と言われたが、私自身はそんなに突拍子もない話だとは思わなかった。しかし母親にしてみると、そこには気がつかなかったらしい。実際の…
常連さんが新しい部署に行き、気合を入れて仕事をスタートさせたらスタッフから少し倦厭されてしまったと言う。これを聞きながら思い出した話がある。ある有名な講演家が話し始めには気を使うと言う。それは絶対に大きな声でしゃべり始めないという事だ。理由は大きな声で威圧的にしゃべってしまうと、観衆は身を引いてしまい話が耳に入らないという。しかし小さな声でしゃべり始めると、観衆は耳をステージの方に近づけ、身を乗り…
常連さんで、長年足の痛みが取れない方がいる。 私が治療してもダメで、足の専門家に回しても、「この程度だと手術をしてもあまり楽にならないかもしれない。あなたが希望すれば開けますが・・・」と同じ内容のことを数人の先生に言われ、それなら手術はしないとあきらめてしまった。 日本でトップの足の専門家が新潟にいるので何かあればそこに送ろうと思っていたが、本人もそんなに乗り気ではない。 しかし先日ひょんな事から…
5月末から院内耐震工事が始まり、皆様にはご不自由をおかけしてしまいました。 現場の大工さんの話を聞きながら感じたことがあります。 耐震工事では構造的に弱い窓ガラスを外し、新たに柱を建て、耐力壁で補強をします。 窓ガラスを外してみたら、経年劣化と雨漏り、シロアリで一部柱に弱いところがありました。 それを見ながら、「いまやって本当に良かった」と思いました。 外からは中の状態が分かりません。 開けてみて…
最近は耳鳴りの方が多く、その治療をどう考えているか少しお話します。耳鳴りに関しては以前にも書いたとおり、「死ぬまでに何とか仇を取りたい」と思っています。 これはどういうことかというと、本音を言えば治せないのです。 耳鳴りも昔中耳炎をやったとか、糖尿病や脳神経に異常があればそちらの治療で改善するかもしれないが、現実問題、耳鳴りの原因を特定することは極めて難しいのが現実です。音が何処で鳴っているかもわ…
時々患者さんに、「靴屋さんには木型があり、洋服屋さんには型紙があるでしょう。靴や服を作ってもらう時にこの型は余り変わらないでしょう。しかし我々の仕事は『○○さんはいつも坐骨神経痛』と思ってやっていたら、必ず見落としが出てしまいます。目の前の患者さんはどうなっているか全くわからない。だからくまなく診よう。と思っていないとダメで先入観念だけで治療してしまうと大変な事になってしまいます。敢えて言えば、ス…
今日来た方は「母指CM関節症」と言って、親指の付け根にある関節軟骨が加齢や女性ホルモンの減少、手の使い過ぎなどで痛む病気の方でした。 日常生活で「ジャムの蓋を開ける」「ドアノブを回す」「雑巾が絞れない」と言います。 我々から見ると腕は曲げ伸ばしの筋肉ばかりで、ジャムの蓋を開けたり捻るための筋肉は少なく、捻る動作はとても苦手なのです。 特に主婦の方は、「痛くてもご飯の支度があるし・・・」と中々安静に…
私もこの年になると、脊柱管狭窄症で腰痛や首肩の調子が悪くなることがよくある。 これは仕事の特権だが、痛ければすぐ揉んだり鍼をやってもらえるので助かっている。 しかしよく考えてみると、痛い時は大騒ぎするが、それが一過性の痛みの場合は必ず回復 する。 「確か先週は首が痛いと言っていたが、今は喉の調子が悪い事ばかり気になる」 身体は常に辛い所しか感じない仕組みがあるので、毎回何か調子が悪い事ばかり騒ぐ結…
紹介でここ数年、喉の渇きが治らない人が来た。 まずこういう場合は原因を考えるが、下記の原因が頭に浮かぶ。 糖尿病-多尿などにより喉が渇く 尿崩症-ホルモンの働きによりおしっこが出過ぎてしまう シェーグレン症候群-自己免疫疾患の一つで唾液腺や涙腺を攻撃して、ドライアイやドライマウスが起こる 甲状腺機能亢進症-代謝や浮腫の問題 更年期障害-閉経近くになると女性ホルモンのバランスが崩れる 話を聞いてみる…
乳がんの術後の患者さんの相談が何故か最近は多い。「母が乳がんを手術をして頂き、医者から『脇の下のリンパまでしっかり取りましたから安心してください』と言われ、本当に良かったと思います。」と言う。子供にしたらがんの再発や延命のことを考えたら当然有り難い話だが、我々は少し違う感覚を持っている。それは「脇の下のリンパ節郭清(かくせい)をしっかりやったら、手が使えなくなってしまうではないか」という事である。…
腸の具合が悪く通っている人がいる。 お腹を揉んだり鍼や灸、食事指導に物の考え方まで色々とこちらもやりようがあるので、順調に辛さが減り、今は95点だという。 しかし以前、「残り5%の痛み」でも書いたが、ここから完治までが至難の技である。 1つ言えることは今までの治療法の延長線上で良くなるなら、もう100点になっているはずである。 しかし95点をが続くということは、それは、「今までと同じ事をやっても身…
仕事柄、「先生、聞いて下さい。大変なんです。」という話はよく聞く。 話を聞いていると確かに大変だが、こういう話を聞きながらいつも思うことがある。 それは、『大変とは「大きく変わる」と書く。』ということである。 「有り難う」は「難あって有りがたい」も同じで、おそらく本来の漢字の意味に、「大きく変わると大変だけどあなたが成長するから」「難が有るお陰で成長できる」というような意味が込められているのではな…