キーワード ぎっくり腰

死に体

よく相撲で、「死に体(しにたい)」と言うが、姿勢のバランスが崩れた状態を表している。学校で強度と神経や筋の興奮性の関係で、「アルントシュルツの刺激法則」を習う。 弱い刺激をすることで神経機能を喚起し 中程度の刺激で神経機能を興奮させ 強い刺激は神経機能を抑制し 最強度の刺激で静止する と言うものである。今日来た常連さんはかなり激務でストレスの反応点である腕が、「死に体」になっていた。アルントシュル…

体験したから分かったこと

今年の正月はぎっくり腰の実験をして失敗して、動けないことから始まった。 今までも何度が実験をして、考え方が変わってしまったのでその話をしたい。 1.ぎっくり腰-以前は、「ぎっくり腰は腰の炎症だから冷やして風呂はダメ。」と言っていたが、風呂で温めて楽になったという声が増えてきたので、自分が腰を痛めたときに実験してみた。入ってみてビックリ、痛みが半分以下になっていた。その体験以来、ホームページのぎっく…

15年ぶりに出たゴルフマニアの腰痛

以前、ゴルフに関しては負担のかかるところは皆同じと書いた。今日来た常連さんは長い間ゴルフを続けていたが、明確なゴルフ疲れが出ていなかった。しかし今日の身体は明確にゴルフ疲れである。何が変わったのか聞いたら、「今までは週に1回打ちっぱなし、レッスンが1回、コースが1回だったが、新型コロナウィルスの影響で打ちっぱなしを2回にした。」という。今まで何年やってもゴルフの影響は少ないと考えていたが、おそらく…

腰痛の原因が思い当たらない

常連さんが「何となく、腰が重い。このままでは今までやったみたいにぎっくり腰をやりそうで早めに来た。しかしそんなに暴飲暴食していないし、冷えにも気をつけているし・・・。」と言う。身体を診ると前回の筋肉の状態の名残はあるものの、そんなにひどくない。胃腸に関してもそんなに身体に反応は出ていない。こうなると何が原因なのか分からない。しかしふくらはぎを診てびっくり、ガチガチである。これは脚の血行不良を意味す…

彼方を立てれば此方が立たず

常連さんが「低蛋白」と「貧血」の治療をしている。「低蛋白」には蛋白質を摂ってもらうため「牛肉の赤身」を指導し、「貧血」には「ミキプルーン」を指導した。実際やってみると、蛋白を摂りすぎると腸内細菌の悪玉が働くために便秘になったり、ガスが臭くなったりすることがある。しかしそこで止めてしまっては何もならないので、便秘の治療を加える。「貧血」の治療は病院から出る鉄剤が評判が悪く、必ずと言っていいぐらい便秘…

本来、腰痛に縁のない患者の腰

これは経験がものを言うだろうが腰を触るだけで、「この患者さんは本来、腰痛とは無縁の方。たまたま今回、胃を壊しているからその影響で腰に反射痛がでただけ。胃が治れば全く腰が痛いとは言わない。」とわかる。逆に、「この患者さんは相当治療をしても腰痛がなくなることはないだろう。親子3代で腰痛持ちだから、『相当痛いか、少し痛い。』で良くなることはない。なるべく『少し痛い。』が続くように治療しよう。」と思ってし…

患者の尺度

これは以前、近所のスナックのママさんが珍しく昼頃治療に来て、顔が赤かったので、「あれ、昼から飲んでいるの?」と聞いたら、「全く飲んでいない。」と言う。でも「顔が赤いですよ。」と言ったら、「全く飲んでいない、ビール2本。」と言った。本人にとってはビール2本は飲んでいるうちにはいらない。10本ぐらい飲めば飲んだというのかもしれないが、これが本人の尺度である。今日来た常連さんも前回絶好調だったのに、その…

「無理はしなくていい」ということ

どんな症状の患者さんにも、職業的に「無理はしなくていい。」と言ってしまう。しかし本音の部分では、「出来ることまでサボるということではない。」「多少の無理はして欲しい。」「サボり癖がつくと困る。」と思っている。例えば骨折の患者に、「痛みがあるうちは無理はしなくてもいい。」とは言うが、あまり安静を続けて筋肉が廃用性萎縮(はいようせいいしゅく-使わないことにより、筋肉が衰えること)を起こしては何もならな…

亡くなる親を見て過食

半年ぶりに来た方が5kg太って、ぎっくり腰で来た。身体を診るとお腹は出て、胃炎を起こし、足が硬くなっていた。これでは腰はもたない。どうして太ったのか聞いたら、「義理の母が段々食べられなくなり痩せていくのを見て、自分はもっと食べなければと思った。」と言う。気持ちは分からないでもないが、人が亡くなるときは家族の意志と本人、病院の対応がばらばらである。本来人が亡くなるときは食と水を絶ち、枯れるように亡く…

手術後の痛み止めで左坐骨神経痛を発症

以前、「水虫とぎっくり腰」の話を書いた。水虫の飲み薬は長期服用しなければならず、それが原因で胃を壊す。そうすると腹筋が働かず、腰に負担がかかりぎっくり腰になるという話だ。これと似た話で、身体にメスが入るとその後、鎮痛剤を飲み過ぎると胃を壊す。胃粘膜保護剤でちゃんと治療すれば良いが、痛み止めだけ飲む方も多い。それが続くと腰に負担がかかり、太腿の裏(下っ腹の反応点)にも反応が出て、左坐骨神経痛を訴えて…

局所環境論

肩でも腰でも何処が痛くなるかで明確に原因が違う。 腕の使いすぎで肩甲骨の内側、心臓の反応で左の肩甲骨の下、喘息は首の後ろ、寝違いは喘息と同じ場所だが範囲が広い。 腰も甘い物取りすぎで左の腰の上、刺激物の摂取で右の腰の上、ぎっくり腰は腰の下で真ん中、坐骨神経痛はどちらか一側、腸は腰骨の上で左側。 一般的に肩首腰痛と言っても、身体はその原因の違いを明確に表している。 それを正確に読み解くのが仕事だが、…

腰痛アラカルト

仕事柄、腰痛の方は毎日診ている。一概に腰と言っても場所によってなぜ痛くなったのかの原因が違う。ぎっくり腰は仙腸関節の反応だし、坐骨神経痛なら殆ど一側にしか出ない、腸の反応は特定の場所以外でないし、甘い物取りすぎは左の腰の上、刺激物の摂取は右の腰の上、図には書けなかったが、座り疲れは場所的には甘い物取りすぎは刺激物の摂取と同じ場所。明確に辛くなる場所が違う。だから身体を診て、「これはぎっくり腰ではな…

今までと全く違う腰痛治療

以前から胃が悪く腰の治療をしていた方が、久しぶりにぎっくり腰で来て、「今年、心筋梗塞をやってステントを入れた。」と言う。身体を診ると67kgから60kgに痩せて体幹の筋力が極端に落ちている。本人は今までと同じように胃の治療をすれば治ると思っているが、身体に全く胃炎の反応がない。ステントのあとは当然食事療法をして、胃に全く負担をかけていないだろうから、これでは胃炎の治療をしても腰は良くならない。結局…

身体を捻って背中かがピキッ

少し無理な姿勢をしていると時々背中がピキッとする。あっと思って痛みだすと強烈に痛いことがある。寝違いやぎっくり腰の背中番である。正式には肋間筋捻挫とでも言えばいいのが、昔は「肋膜捻挫」の様なことを言っていた記憶がある。治療法にはコツがあって、痛くなった瞬間に30-60秒ぐらい身体を動かさず息を止め、痛みを我慢する。その後楽になることが多い。しかし痛くなって動かしたり、深呼吸をするとかなりきつい痛み…

胃を治してスタートラインにつく話

減量を目指している方が胃が悪く、百草丸を勧めた。幸いに薬が効いて私にしてみればようやくこれから本格的な減量の治療がスタートできると思っていたら、「お陰様で胃の調子が良く、これなら食べても大丈夫。」と言われて、すこし頭を抱えてしまった。こちらはまず胃の不調を整え、ちゃんと消化できる態勢を整えてから減量をスタートしたいと思っていたのに、患者さんは今まで胃の具合が悪かったが、薬を教えてもらって胃が治り、…

腹筋を鍛えて腰痛悪化

よく整形に行くと、「あなたは腰が悪いのだから腹筋を鍛えなさい。」と指導される。しかし私は40年やっていて腹筋を鍛えて腰が良くなったという方を見たことがない。これは少し言葉が足りないのである。 「お腹の調子が悪くなったりして腹圧が上がると、腹筋が働かなくなる。そうするとその分、腰が頑張るので腰痛が起こる。だから胃腸を治して腹筋がちゃんと働けるようにすることが大事。」 こう言えばいいのに、「腹筋強化」…

常連さんに落とし穴

仕事柄、身体のメンテは勧めているが、時々の常連さんに落とし穴がある。 最近3例あったので紹介したい。 1.乳がんをやった方が、ご主人と喧嘩して免疫を落としたケース 免疫を上げるために食生活の指導や乳酸菌、温熱をしていて経過が良かったが、喧嘩の後免疫指数が極端に下がっていた。この方には、「まだ若いから喧嘩は分かるが、免疫を下げてがんを喜ばせるのはどうかと思う。まずはご主人を受け入れて、がんを喜ばせて…

身体は軽く、心は重く

最近はどういうわけか懐かしい方をよく治療する。1番長い方で35年近くになるので、昔の身体と今の身体をどうしても比べてしまう。「昔は社長、あんなに元気だったのに、この腰は全然筋肉が回復しませんね。」「20年ぐらい前はゴルフであんなにやっていたのに、今では想像も出来ませんね。」「5年前のぎっくり腰の時は1回の鍼で治ったのに、今回はあと2-3回やらないと治らないでしょうね。」仕事柄嘘をつくわけにはいかな…

いい先生捜しと筋肉痛とリンパマッサージ

長年仕事をしていると患者さんから、「困ったときに予約が取れない。よそに行くと中々良い先生に出会えない。どうしたら良いか?」という質問を受ける。まずいい先生だが、これは長年調査をしていて大体10人に1人しかいない。確率は10%である。2-3人の先生にやってもらっていい先生に出会えるわけがない。最低10人にやってもらう必要である。そして忙しい方は常に自分の周りに最低3人ぐらいの先生を確保しておかないと…

筋肉痛と神経の興奮

少し無理をして腰が痛い場合、何となく重いのとピリッと感じるでは全く原因が違います。何となく重いのは筋肉痛ですから治療しなくても安静と時間をかければ自然に治ります。しかし腰にピリッと感じるのは神経の興奮ですから、悪化するとぎっくり腰になり動けなくなってしまいます。我々は症状を聞けばどちらなのかすぐに分かりますが、一般的には区別がつきません。この神経の興奮ですが、身体の何処かに痛みを感じ、我慢している…