キーワード 風邪

どうやって身体の声を聴くのですか?

仕事柄患者さんには、「身体の内なる声を聴きなさい。」と指導をしていますが、「どうやって身体の声を聴くのですか?」と質問が来た。 普段何気なく使っている言葉だが、いざ説明するとなると少し難しい。 例え話をすると、外食や宴会などで少し食べすぎたときに、「あれ、お腹が少し重い。」と感じたらもうそれは身体の声です。 旅行などで歩きすぎたり、座り疲れで足や腰がきついなぁと感じただけでもうそれは身体の声です。…

病気になったときの心構え-免疫学者は何をする?

代替医療のホリスティック医学で有名な帯津良一先生は免疫学者の安保徹先生と風邪について話をされていた時、帯津先生はすぐに葛根湯を服用して、症状がはっきりする前に対処して危ないという予感が大事だと言われたのに対して、安保先生は「私は、風邪をひいたら、『ここのところ、忙しすぎたから、少し身体を休めなさい』という天の配剤だと思って、2~3日ゆっくり寝ることにしています」と答えたという。 「天の配剤」は少し…

ロキソニンとリリカ

腰痛の患者さんにはよく、ロキソニンとリリカが処方される。ロキソニンは消炎剤、リリカは神経性疼痛をやわらげる。作用は似ているが、少し違う。先日も常連さんが2週間ほど腰痛で悩み、治療したが殆ど効果がなく、整形外科でロキソニンとリリカを処方されたら、1週間で効きはじめ、10日目には殆ど痛みが取れたという。まずはやれやれなのだが、こういう場合はどっちが効いたのか分からないので、出来れば別々に飲んでもらいた…

ダマールについて

最近は色々なメーカーが薄くて暖かい下着を出している。便利には違いないが、物によっては皮膚炎を起こしたり、電磁波に対して過敏になったとすることがある。そんな時はやはり昔ながらの素材が良い。私がよく勧めているのは「ダマール https://damart-online.jp/」である。これは以前、年配の方が冬ゴルフをして風邪をひいたことがきっかけとなった。「ゴルフで汗はかくし、寒いのは困る。綿だと下着が…

怪我の功名

日舞をやっている常連さんが治療している左膝に火傷をしてしまったと言う。本人はなんとも運が悪いと思っているだろうが、我々から見ると逆である。火傷は紫雲膏などで治せば良いが、身体はその火傷を治すためにそこに血液やリンパをどれだけ集めるかわからない。選択的にそこだけ血流が良くなる。我々が膝の治療をするレベルではない。それもかなりの期間続く。膝にとってこんな良い状況はない。膝が完治するかは別にしても、相当…

名人の治療を見て

昔まだ新人だった頃、名人と言われる方の治療を見て、「先生、そのツボは○○ですね。」また、「そこに鍼を打つのは△△だからですね。」と知識だけはあったので、自分なりに理解していたつもりでいた。しかし先生は、「やっている姿を見て、○○のツボというのは鍼の免許を持っている人間なら誰でもわかる。しかしなぜ、このタイミングでそこのツボを使うかがわからないだろう。それは見ても全くわからないはずだ。」と教えて戴い…

意外と何とかなる

若い頃は病院や骨接ぎに勤めていて、保険治療ということもあり患者は毎日来る。 治療時間はかなり制限されるが、明日も治療できると思うと治療計画が立てやすい。 よく病院の待合で、「今日は○○さん来ないけど、どこが具合でも悪いのでは・・・。」とやっていた。 朝病院に来るのは日課で、来られないのは余程具合が悪いと患者仲間に思われている。 患者同士も毎日見る顔だから、皆顔なじみである。 そんな中、どの世界にも…

首に集中

耳鼻科の医者から耳鳴りの患者さんが来た。 耳鳴りはどの先生も悩んでいて患者さんは数ヶ所回る。 今まで1番ひどい方でうちが14ヶ所目という方がいた。 当院も決して成績は良くないが、Bi-Digital O-Ring Testを使い、今までの経験と共に少しでも楽になればと思っている。 まず身体を診ると腕が異常に硬い。 これは慢性的に頚に問題があることを意味している。 次に頚を診ると喘息の反応点がある。…

上半身のすれ違い

常連さんが、「先生が葛根湯は上半身の血流剤(肩こり、頭痛、風邪、喉の痛み、耳の症状に効く)と言っていたので、胃と心臓にもいいですよね。」と言う。「え、そこには葛根湯は使わない。」と言うと、「でもへそから上は上半身ですよね。どうして駄目なんですか?」と聞いてきた。 これには理由があって葛根湯が上半身の血流剤という場合は心臟より上を指す。よく下半身の血流剤ということで八味地黄丸を使うがそれに対抗しての…

咳について

普段あまり風邪を引かない方が咳で悩んでいる。小鳥タイプならいつも喉が辛いと言われてアドバイスをしているが、元気な方は当院の咳に関する話を殆ど知らない。少しまとめたので、箇条書きにしたい。 まず呼吸器の反応は「定喘 ていぜん」によく出る。(図参照) 喘息の方などは聞かなくても触っただけでわかる。ここをマッサージで治療しただけでも楽になるがやはり鍼灸刺激をしたほうが効果は高い。ここに直貼りなどのホカロ…

後鼻漏について

後鼻漏の患者さんは多い。詳細は下記を見て頂くとして、何が問題か少し書いて子みたい。 https://www.ginzaclinic.com/s-koubirou/ まず慢性的に咳をしている。喉が絡む感じで派手な咳ではないが、いつも喉の調子が悪そうである。次に慢性的に喉の違和感を訴えてくる。風邪を引きやすかったり、酷くなると肺炎まで出てくる。次にいつも鼻水を飲み込んでいるので食道や胃腸炎を訴えてくる…

いい医者、悪い医者

こういう仕事をしていると医者の噂は多い。「あの先生はすぐに薬を出してくれるからいい先生。」「風邪の予防で何かくださいといった薬をくれなかった。あういう先生にはかかりたくない。」「何を相談してももうすこし様子を見ようと言われる。もう15年も様子を見ている。」患者さんも色々なことを感じながら診察を受けている。仕事柄我々は治療時間が長いので、こういう話題は尽きない。先日も常連さんが、「少しコレステロール…

葛根湯医者

江戸時代の古典落語に「葛根湯医者」という話がある。 「お前さんはどこが悪いんだ?」 「先生、どうも、頭が痛くてしょうがねぇんですがねぇ。」 「んー、頭痛だなぁ、そりゃ。  葛根湯、やるから、飲んでごらんよ。」 「先生、あっしは、目が悪くってねぇ。」 「ん、そりゃ、いけないなぁ。  目は眼(まなこ)といってなぁ、一番、肝心なところだぞぉ。  葛根湯やるから、せいぜい、お飲み。  その隣の方は?」 「…

胸骨のゆがみ(胸の真ん中の痛み)

肩や首の治療をしているとなかなか良くならない方の中に、胸骨のゆがみを見つけることがある。胸骨とは胸の前面(胸の真ん中)の骨で肋骨と少し不安定な関節を形成していて、ちょっとのことでゆがみやすい構造をしている。そこに肋間神経がかかわっているものだから、ゆがむと鋭い痛みを出す。少し触っただけでも飛び上がるほどである。治療法はすこし叩く程度で改善するのだが、こじらせると咳が長引いたり、手のシビレが良くなら…

腕の使いすぎで喉が痛くなる話

常連さんが海外旅行で重い荷物と車の運転で、腕がパンパンになってしまった。運が悪いことにその後、腕を振って走ったらなぜか喉が痛くなったという。身体を診たら腕の疲れで出た反応点が喉の反応点とくっついていて、そこそこの範囲に炎症を起こしていた。腕の使いすぎと喉は結びつかないだろうが、ツボの反応点はとても近い。こんな所にも落とし穴がある。こういう場合は喉の痛みだけなので、風邪のように鼻水などは一切出ない。…

どうしてすぐに鍼を打たないのですか?

鬱病の方に、「ここは鍼灸院なのにどうしてすぐに鍼を打たないのですか?」と聞かれた。これには少し理由があって、長年の経験でどんな症状の方もいきなり鍼をやって効く方と効かない方がいる。昔は理由がわからなかったが、段々調べていくうちに患者さんの環境の違いでそういうことが起こるとわかった。例えば風邪で咳き込んでいる患者さんに鍼をやって効かなかったとする。その方がご自宅でどういう生活をしているかはわからない…

薬はどれくらい様子を見たら良いのですか?

よく、「漢方薬は効きが穏やかで結果が出るまでに時間がかかる。」と言われるが、我々はそんな感覚を持っていない。長い歴史の中で結果が出たものだけ残っているのが本当に話で、風邪の初期に葛根湯を飲めばカーッと熱くなり風邪が抜けてしまったり、咳や鼻水の時に小青龍湯を飲めば咳や鼻水が止まったり、足の浮腫の時に五苓散を飲めばおしっこで水分が出てスッキリしたり、関節が痛いときに疎経活血湯を飲めばすぐに効いたりと即…

咳治療の最後の砦「お灸」

季節柄、夏風邪なのか喉の痛みと咳の方がよく来る。症状が軽ければ売薬(葛根湯やコンタック)でいいが、こじらして喉の痛みが取れないとなると駆風解毒湯や医者に行ってるゴールなどを塗ってもらわないといけない。咳は軽ければ龍角散やベポラップ、乾布摩擦などがいいが、酷くなれば医者に行って抗生剤やメジコンなどの咳止めをもらう。それでもだめならリンコデと言って、リン酸コデインという鎮咳薬が出される。それでも止まら…

疲れている時に仕事をして身体が元気になる話

20代の修業時代に先輩から、「君達は指圧を力でしているからわからないだろうが、この仕事は力を一切使わない。若い頃は3人5人と治療する毎に疲れてくるが、やがては何人やっても同じになる。そして最終的には多少体調の悪い時に仕事をすると、適度な運動で体調が良くなる。そういう身体の使い方を身につけなさい。」と指導を頂いた。 今になればわかるが、当時は体力の切り売りだったから、ピンとこなかった。 おそらく他の…

医者の治ると患者の治る

長年この世界にいると医者と患者のずれを毎回感じる。 例えば風邪一つ取っても、医者の言う治るは症状がなくなることである。 咳や喉の痛み、発熱、鼻水など止まれば治癒である。 そのために症状を抑える薬を出す。 風邪はウィルスだから本来は治す薬など世界のどこにもないのだが、菌も混合感染といって起こしているので、その菌だけは抗生剤で抑えられるから症状が軽くなり、良くなったと感じる。 患者は風邪を引きにくくし…